【マギ】 ☆.。.:*.・.アマツキツネ.・.。.:*・ ☆ ・ ２．青空の希望

伍捨肆節　『葛藤』 ページ28

港につくまでは未来への希望が勝(まさ)っていたため気がつかなかったが、希望が消え去った今、残ったものは絶望と喪失感だけだ。



……たった一つ、よかったと思えることがある。

ジャーファルとヤムライハを、無事に逃げさせられたということだ。彰霊達の目的はAであり、あの二人に用はないはず。Aが捕まったことで、二人は大きな怪我をせずに済んだ。




よかった。よかったんだよ、これで。



『…………違う』





よかったんだ。



『嘘』





これでいいの。



『よくないよ……』





だから、もうどうなってもいいや。



『誰か助けて!』





…………。





「うるさいなあ、もう！！！！」





頭の中で泣き叫ぶ、愚かな自分をたたくように床に拳を突き落とした。
ぐちゃぐちゃになった頭は、思考を放棄する。リミッターが外れて力の制御ができなくなったAは、体力が尽きて倒れるまで、床を叩いて叫び続けた。



終わりだ。終わりだ…………





「終わりだ！！」

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