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肆捨玖節 『侮辱』 ページ23

ジャーファルはシンドバッドを侮辱されるのが許せない。普段温厚な彼も、主を侮辱されるとわれを忘れ激昂してしまう。隠し武器(縄ヒョウ)を掴み、彰霊に投擲した。しかし、突然降ってきた水のつぶてに阻まれる。

つぶてを放ったのは、彰霊でも彰霊の部下でもない。
ジャーファルの隣で肩を震わす、ヤムライハが放ったのである。

つぶては次々彰霊にぶつかり、潰れ、蛇のようにまとわりついて拘束する。





「―――――あんた一体なによ……」






杖を掲げたまま、沈黙していたヤムライハが重々しく口を開く。同時に上げられた顔は怒りの色が浮かんでいた。口は引き結ばれ、目は充血している。頬には涙の跡が残っていた。





「『それ』とか、『力』とか、あんたはAを『道具』としか思ってないの?Aの持つ力にしか興味ないの?もっと本人のことを考えなさいよ!挙げ句の果てに、私の国まで侮辱して……許せない!!」





呪文を唱える時間も、発動までの時間も惜しい。ヤムライハは怒りに任せながら、連射のきく単純な呪文を休む暇なく、拘束された彰霊にぶつけていく。食いしばられた歯の隙間からみっともない呻き声が溢れるが、それすら怒りに紛れて気にならなかった。

彰霊の部下達や軍の兵士も応戦するように攻撃を始めるが、彼らの相手をするのはジャーファルだ。ヤムライハの邪魔をさせないよう、突き出される数十の槍や剣、飛び交う式神を眷属器で的確に叩き落としていく。


ジャーファルの援護をうけたヤムライハは、彰霊へとどめの一撃を放とうと魔力を杖先に集中させる。

魔法というものは様々なバリエーションがあるが、どれも眷属器や金属器と比べると威力はかなり低い。強い力を持つ者を倒そうとすると、己が使用できる魔法の中でもトップクラスの威力を持つ魔法を使わないといけない。
そして強大な威力の魔法を撃つには、かなりの魔力が必要だ。
使用魔力と使用までの時間を減らすために、ヤムライハは数メートル先に見える海を構成するルフに命令式を与えた。





「!? どうして……」





しかし、海のルフはヤムライハの命令をきかない。いや、そもそも命令式が届いていないようだ。一切ざわめきもせず、のんきにふわふわ漂っている。

動揺を隠せず、目を白黒させるヤムライハに、にんまりと笑った彰霊が声をかけた。





「まさか我が国がいくら殆ど他国との交流がないからって、遠距離攻撃に対する防御手段を持ってないとお思いですか?」

伍捨節 『敗北、そして別れ』→←肆捨捌節 『管理されたバケモノ』



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表ヒナタ(プロフ) - ブラッキー×リーフィアさん» 別アカですみません、裏ヒナタです。コメントありがとうございました!面白いと言っていただけてなによりです(´∀`*)続き頑張って更新し続けますので、ゆったりお待ちください! (2014年10月30日 20時) (レス) id: f759972714 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッキー×リーフィア - おもしろい!!(>∀<)/続きが気になります!! (2014年10月28日 19時) (レス) id: d1bbfb5376 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:裏ヒナタ x他1人 | 作者ホームページ:ホムペなんてないのだよ  
作成日時:2014年10月27日 15時

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