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肆捨弐節 『拗ねた魔導士』 ページ15

子供のように、ツーンとヤムライハは腕を組んでそっぽを向いた。彼女の髪は普段と違って遮るものがなく、照りつける太陽を反射して眩しいほどの光を放っている。
ジャーファルは目を細めながら、何故か拗ねてしまったヤムライハを宥めにかかる。





「まあまあ。何が気に障ったのかわからないけどさ、私達も店を回ろうよ」


「…………」


「ほら、丁度Aも手招きしてるよ」





またAですか。ヤムライハの眉間の間に深い皺が刻まれる。しばらく沈黙が続き、そういえばジャーファルはどうしているかと横目で盗み見ると、ヤムライハの機嫌がさらに悪くなった理由がわからず、首をかしげて悩んでいる最中だった。
もうジャーファルさんなんて知らない!と遠くへ駆け出したいところだが、そういうわけにもいかない。Aにもジャーファルにも罪はない。ヤムライハが嫉妬しているだけなのだ。


――――やっぱりAのところへ向かおう。


決意してヤムライハはジャーファルがいた方向を向くと、ジャーファルは忽然と姿を消していた。
慌ててAのいた方向を向くが、なんとAさえも姿を消している。





「えっ……!?」





思考回路が凍りつき、ヤムライハは石のように固まる。
ま、まさか迷子!?





「ヤムライハ様!」





慌てるヤムライハの耳に、どこか上ずった声が飛び込んできた。反射的にそちらに顔を向けると、頬をほんのり染めてはにかむのAの姿があった。





「A……」


「ヤムライハ。しゃがんで!」





呆然としているヤムライハに、再び声がかけられる。今度はジャーファルのものだ。Aの葉後に立って、ヤムライハに小声で支持する。
なんでしゃがまなければいけないのか理解できないが、とりあえず指示に従ってみる。





「え、えっと、あの……受け取ってください!」





おずおずとAが近寄ってきて、ヤムライハの頭に何かを乗せた―――――というより被せたといったほうが正しいだろうか。
ヤムライハはなれない感触に首をかしげ、探るように乗せられたものに触れた。固くて艶のある感触だ。

肆捨参節 『カチューシャ』→←肆捨壱節 『愛らしい』



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表ヒナタ(プロフ) - ブラッキー×リーフィアさん» 別アカですみません、裏ヒナタです。コメントありがとうございました!面白いと言っていただけてなによりです(´∀`*)続き頑張って更新し続けますので、ゆったりお待ちください! (2014年10月30日 20時) (レス) id: f759972714 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッキー×リーフィア - おもしろい!!(>∀<)/続きが気になります!! (2014年10月28日 19時) (レス) id: d1bbfb5376 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:裏ヒナタ x他1人 | 作者ホームページ:ホムペなんてないのだよ  
作成日時:2014年10月27日 15時

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