溶けそう【山田一郎】

溶けそう１９ ページ20

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「やったー！Aなら了承してくれると思ってたよー！まじで助かる」


『いちごパフェ………』


「1ヶ月分ね、ハイハイ」



一郎くんにカッコイイところ見せなくちゃ、たくさん練習しよう。



『質問なんだけどさ、他にもピアノ専攻なんて沢山いるのになんでわざわざ教育の私に頼んだの？』

何気気になっていた質問をなげかける
友達は一瞬キョトンとしてからニヤニヤし始めた。
え、何………怖………

「あんた気付いてないの？ピアノ専攻の生徒から敵視されてること」

『……敵視……？』

「確かにAは教育の方だけど、実力は明らかにピアノ専攻の人達と競えるぐらいよ。AオケのみんながAのこと上手だって言ってたよ」

『えっ、いつ私のピアノ聞いたの！？』

「レッスン室よ、Aよく練習してるよね。教育の方じゃあまり弾かない曲も弾いてる。」

『…バレてたか』


確かに私は教育ではなかなか弾く機会のないハイレベルな曲をこっそり練習してたりする
ピアノ専攻じゃなくたって、弾きたい曲は弾きたいしね


「Aがピアノコンチェルトやりたいってのも薄々気付いてたし、Aにはその実力が有るってことでAオケのみんなと話してAがぴったりだねって話してたよ。この前もお世話になったしねー！」


そうなんだ、本当に光栄だな…よし、頑張ろう！
みんなのためにも、自分が成長するためにも




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あれから数週間経って一郎くんと会うことも無くなってきてしまった。
連絡が来ることがまずないし、私自身練習でそれどこじゃなかった。


でも携帯の中にある私しか知らない一郎くんを見て、幸せな気分になる。

かっこいいな、今どこで何してるのかな、私の演奏聞きに来てくれるかな

本番は明日になる、結構大きな舞台らしい光栄なことに

久しぶりに一郎くんにメールを送ろう



『明日、◯◯ホールでピアノ協奏曲を演奏するのですが、予定が空いていたら聞きに来てくれませんか？っと、送信』


案外早く既読が付き、返信が来た


【おう！二郎と三郎と聞きに行く。チケットももうS席取ってあるぜ〜！】


えっ、うそ、Ｓ席って前の方だよね！？それって抽選席だよ、一郎くん私のために……いやこれはもう好きじゃん……一郎くんのそういうところ大好き……


よし、腹をくくろう。今回の演奏で満足な演奏が出来たら一郎くんに告白する、そうする！


A、がんばるのよ！


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あと2票で殿堂入りです……うぅ……

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