八十二話 本当は ページ37
「貴方も日本の方なのね。」
赤薔薇の様に赤い唇が、艶めかしく開かれた。
涼真「はい。黒崎雫と申します。」
女性は笑みを湛えたままで、名乗ろうとはしなかった。
俺は少々強引に「ええ、何とお呼びすれば宜しいでしょうか？」と迫った。
すると相手は奇麗な笑顔を崩さぬまま「
ビンゴだ。
魅麗「黒崎さんはどういうお花をお探しで？」
涼真「いえ、私が用が有るのは、貴方です。」
魅麗「私？何でまた私なんかを？」
相手に警戒するような表情は見られなかった。
それ所か、明るい笑顔すら見せた。
涼真「すみません、単刀直入に言わせていただくのですが………」
涼真「済木月狂の母親は、貴方ですよね？」
魅麗「…………。」
其の刹那、相手の顔から冷たく笑みが引いていくのが見て取れたが、俺は怯まなかった。
涼真「十年前、とあるホストクラブの男と心中したと報道された、済木美麗さんですよね？」
魅麗「……仰ってる意味が、良く分かりませんが。」
冷たい瞳の奥には、『自分にとって邪魔』な子供が飢え、そして自分に殴られ泣いている様でも浮かび上がったのだろうか。
其の表情は冷徹で、無慈悲であった。
涼真「少し前まで月夜さんが、貴方を探していた痕跡がありました。彼は貴方の居場所を特定した所で、貴方の詮索を停止しています。」
其の質問に、彼女はふっと短く息をついた。
魅麗「あの子は何て言ってましたか？」
その質問に、俺は力なく首を横に振るより他ならなかった。
涼真「………彼の真意について、私は解りません。それは本人にしか解らないでしょうから。でもきっと、貴方に一度でいいから逢いたいと願っている筈です。」
「貴方を殺そうとした事、謝りたいと強く思っている筈です。」
彼は実の母を己の手で殺めようと目論み、そして片割れである弟を棄てて逃げた。
けれど心の何処かでは願っていた筈なのだ。
遠い昔、幼き頃の幸せを、もう一度手に取りたいと。
涼真「"フェリーチェ・アモーレ・ソッリーソ"これは貴方が彼に教えた、幸せのお呪いですよね？」
其れを聞いたミレイが長い息を吐くと意外な程に柔らかい声を出した。
魅麗「少し外へ出ましょうか。寒いでしょうけれど、風は冷たい方が気持ちいいでしょうから。」
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日名無 りん(プロフ) - シェリーメイさん» シェリーメイさん、いつもありがとうございます^^*緋き妖にも目を通してくれていてとてもとても嬉しい限りです！私も冬は苦手なんですよね笑お守りだなんて…！！私も読者の皆様をお守りに冬も受験も乗り越えます！！ (2019年11月24日 20時) (
レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
シェリーメイ - この小説が無かったら私の冬は地獄… (2019年11月23日 19時) (レス) id: e2657486e4 (このIDを非表示/違反報告)
シェリーメイ - 日名無 りんさん» こんばんは！骨の随までシリーズも黒蝶の夜にシリーズも、緋き妖もすごくすごく最高最高！(〃ω〃)最近インフルエンザが流行ってます。私達読者も、日名無りんさんも、体調に気をつけましょ！私は勝手ながらこの小説をお守りにして、苦手な冬を乗り越えます(^^)/ (2019年11月23日 19時) (レス) id: e2657486e4 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - ハルシナさん» こんにちは！初めから見てくれているのですね。嬉しい限りです！いえいえ、天才なんて滅相もないです！笑 うわああ、ありがとうございます！私も読者の皆様が大切なので、体調管理には十分に気をつけてくださいね (2019年11月11日 23時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
ハルシナ - この作品、初めから見てます！作者さん天才だな？いつもドキドキしながら見てますよ！体に気をつけて更新してくださいね？作者さんは、私たちのことを考えて更新してるかもしれないけど、私たち読者は作者さんの体のことを一番に思ってますよ！これからも頑張って！ (2019年11月11日 18時) (レス) id: 91b89ed012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日名無 りん | 作成日時：2019年9月3日 0時
