骨の髄まで愛してるーヤンデレ彼氏の行き過ぎた愛ー

三十八話 憎くて肉食て ページ40

月狂視点



俺は何も望まいし、誰にも甘えない。


だって、世界は、神様は、差別をしないのだから。




あれはまだ小学校に入ったばかりだった。
部屋の隅で、俺はお腹がすいたので、自分の指を、齧っていた。

鉄の味は甘く、匂いは口の中に広がる。
だがそれだけでは腹は満たされない。
今度は皮膚を食い破り、皮を食べる。


それでもやっぱりダメだ。
俺は母親に『お母さん…ご飯は…？』


母はその瞬間、殺す標的を見つけた殺人鬼のような目付きになると、灰皿を投げつけてきた。


バリンと割れるが、俺には当たらなかった。

母親は舌打ちをすると、俺の手を無理矢理引っ張り、手の平に煙草を押し付けた。


ジュウっ…と音がした。


俺が痛みに叫ぶと『黙れよ！クソガキ！！』と叫ぶ。



そうすると母親は俺に蹴りを入れた。
小学一年生に対して大人が本気で蹴ってくるもんだから、俺の身体は襖を押し倒して隣の部屋に倒れ込んだ。


ずかずかと近づいてきたその顔はおっかなかった。


それは正に鬼……いや………


“それが母親というもの”だと思った。


世の中の母親は皆こんなものだと。
思った。

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