拝啓、親愛なる総統へ。【wrwrd】

17話 ページ17

朝起きると布団にコイツがいる、というのもなかなかだが。果たして入れたのかはいってきたのか。


肝心な本人も、何も思っていないようだ。涎を垂らしながらいつもの様に、変わらない顔でグーグー寝ている。


もう少し女らしくすーすーとかないのか。
いびきもかくし。


こちらが起きたことに気がついたのか、目を覚ましたこいつは一言。


「グルさんが言いましたからね...。」
と、だけ言い残し、二度寝した。


起こしてもいいのだが、何しろ昨日ぶっ倒れているし、コイツは寝起きが酷い。


低血圧だか低血糖だか知らんが具合が悪いようで恐ろしいほどテンションは低いし、機嫌も悪い。


自然に起きた方が幾らかましだ。
それに、朝飯を作るにもこいつが邪魔で何も出来ない。




することもないので結局はこいつを観察する。
サラサラの髪。以前はお団子にまとめることが多かったが、今はポニーテールでまとめている。


ある日から突然お団子になったので、何故かと聞いても内緒だとはぐらかされた。


今聞いても分からんだろうし仕方はない。


「...なに寝てる人の顔鑑賞して。」

ほらこれだ。起きて真っ先にこれだ。


「またなんか余計なこと考えてるんでしょ。」


...？何かおかしい。

「総統だって同じ様な感じで寝てたから...。」


これだ。その何かが分かった瞬間には、恐るべき速さで三度寝に入り、いくら揺さぶっても起きなかった。


自然に起きた際の一言は。


「おはよう、グルさん。」


だったし、詳しく聞いても、そもそもグルさんと朝話した記憶すらない、とのこと。


ぼんやりとしていたからこそ出てきたのか。
それとも、何かあったのか。

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