第8話 トラウマ ページ9
私が喋れなくなったのはいつだっけ。
確かあれは黄昏の鬼(トワイライトオウガ)が出来たばかりの頃だったかな。
「な、オレらの借金の保証人になってくれるだと!!」
「こんなうまくていい話なんてあるのか?」
「でも、オレらはもうこれに賭けるしかねえんだ」
妖精の尻尾(フィアリーテイル)がとうとう破産寸前の時
黄昏の鬼(トワイライトオウガ)から借金を肩代わりをしてくれるという話が回ってきていた。
このあと、このふざけた話に乗ってしまったんだっけ。
そのあと私たちは収入も権位も右下がりに真っ逆さま。
「マスターも後先考えないからなぁ」
「オレらあいつらに変な噂流されてさっき市場で大変だったんだからな」
「う、だ、大丈夫だ。頑張ればすぐに返せる」
「それ1年前にも聞いたよ」
「あ、そうだAお前暇だったりするか?」
「え、うん」
「俺の代わりに黄昏の鬼(トワイライトオウガ)に行ってくんねぇか?」
「え」
マスター(代理)に差し出された袋の中にはたくさんのお金が入っていた。
「で、でも私13歳だし」
「ちょっとギルドの報告に評議員のとこに行かなきゃならなくなってよぉ。
他の奴らも仕事で皆いねえんだよ、一生のお願いだ!!」
「女相手には何もしないだろう」と私は黄昏の鬼(トワイライトオウガ)に無理やり行かされる羽目に。
これから数週間後私は喋らなくなった。
フィアリーテイルの為だって自分に思い込ませてなんだってやったよ。
すごく辛くて、すごく悲しくて、何もできなくて。
誰のせいでもないけれど、もう限界だよ。
誰か助けて…
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作者名:杜山ひな子 | 作成日時:2015年4月2日 16時