第7話 秘密 ページ8
私が走ってたどり着いたのは、ポリューシカさんのおうち。
重い扉をギィィ、と開けると無愛想なおばあさんが姿を現した。
「またお前かい。何の用だ？」
「実は7年前のメンバーが帰ってきて、それでちょっと」
「だからなんだ。早く言いな」
「私のこんな姿見せたくないんです。
意思が固まるまでちょっとの間居させてもらえませんか？」
私は顔を俯けさせ、そのままお辞儀をした。
ポリューシカさんは少し考えた後、「勝手にしな」と私を家に入れてくれた。
ポリューシカさんと私は多分似ている。
ポリューシカさんにそんなことを言ったら
すぐ家を出されてしまうのだろうけど。
私は扉を閉めると近くにあった椅子に座り込んだ。
ｰ妖精の尻尾(ﾌｨｱﾘｰﾃｲﾙ)にてｰ
「Aどこ行った？
急に逃げやがって」
「…」
「どうした、ロメオ」
ナツとグレイ、そしてロメオはマグノリア街を走り回っていた。
ロメオは足を止めると、ナツたちの方を振り返った。
「A姉は�狠�れないんだ”。」
「「は？？」」
「喋らなくなったのは3年前。
最初は皆、天狼島がなくなったショックで喋らないだけだと思ってた」
「でも少し違ってたんだ。
オレがもっと早く気付いてやれればよかったのに。」
「どういうことだよ」
ロメオは軽く涙を手ですくうと少し深呼吸をして
また話し始めた。
「ナツ兄たちのこともあるけど大きな原因は
あいつ等に…黄昏の鬼(ﾄﾜｲﾗｲﾄｵｳｶﾞ)に性的暴行を受けてて…！！」
「「･･･?!」」
「迷惑かけたくないからオレらにそんなこと言えなくて
評議会に連絡しても証拠がないから…って。」
「結局オレには何も守ることが出来なくて、ナツ兄たちごめん」
「なんだよ、それ」
「オレ等仲間にあいつ等そんなことやってたのか」
グレイとナツたちは、拳を強く握りしめ、また走り出した。
「どっ、どこ行くんだよ！！」
「「決まってんだろ！！黄昏の鬼(ﾄﾜｲﾗｲﾄｵｳｶﾞ)だ！！！！」」
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作者名：杜山ひな子 | 作成日時：2015年4月2日 16時
