第10話 ちっぽけな ページ11
今は夜の7時ぐらいかな。
外に出てみると空にはたくさんの星々が空に映っている。
私は地べたに腰を下ろし、その星空をずっと眺めていた。
「きれい…」
あの星はいつ頃の星なんだろうな。
何千年前の星とかかな。
いや、何万年前の星かもしれない。
大きな空の下では私はちっぽけな存在で
でも嫌な気はしなくてむしろ心地よかった。
私が過ごしているこの時間はあっちにとって数秒すらない。
すっごく不思議な感覚。
私たちが待っていた7年間はあっちでは一瞬で。
私は、立ち上がると中に戻る。
「明日は皆に言おう」
あっちで一瞬の7年間は、逆に言うと7年は一瞬に通り過ぎてしまう。
私はこっちの世界で一瞬一瞬を大事に生きていこう。
少しだけ前向きになれたかな。
心の傷はしばらく癒えないだろうけれど
これからみんなと前の7年間を塗りつぶしちゃえばいいんだ。
神様、私に勇気をください。
私は次の日、テーブルの上にポリューシカさん宛の手紙を置きそのままここを去った。
********
「しょうがない子だね」
ポリューシカは扉を背もたれにしてAを見届けた。
その顔には少し笑みがあったように見えた。
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作者名:杜山ひな子 | 作成日時:2015年4月2日 16時