罰ゲーム (ページ25)

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そのまま車が走り続けて、たどり着いたんは俺の家じゃなくてヨコの家やった。

過去に一度だけ新年会でメンバーと一緒に訪れた場所。
それ以来やったから、勝手にもう引越ししたんかと思ってた。

ってか、なんでヨコの家やねん。

「あんた、俺の家に送ってくれるわけじゃなかったん？」

「………。」

また無視や……｡
機嫌悪いのはとりあえずわかった。
でも、やからって何で俺を家に連れ込むんや……？

俺は無言でヨコの後ろを着いて行き、部屋の中に入れてもらった。
久しぶりに入った部屋はあの頃から何も変わってなくて、少しだけど安心してしまった。

「はい」

「はっ？」

「シャワーしてきて」

「いや、急になんでやねん。ってか、なんで今日はそんな横暴やねん」

「ええから。着替えも置いとくし」

ヨコは俺のことを無理やり風呂場に押し込み、嫌とも言わせずに扉を閉めた。

「………なんやねん」

人を風呂に入れたり、家に入れたりするの嫌う癖に。
ホンマ、なんやねん。
俺は文句を言いたい気持ちを抑えて、言われた通りにシャワーを浴びた。

「………入ってきたで」

「ん、じゃあこっち」

相変わらず機嫌悪いままのヨコは俺を寝室に連れて行く。
そのまま当たり前のように顎でベッドの方を指す。
俺は思わず、いや我慢してた分が溢れ出て「はぁ！？」と返した。

「なんやねん。大っきい声出すなや」

「いやいや！！無理やり家に帰らされたと思えばヨコの家で、シャワー浴びろ言われたら次は寝ろ！？おかしいやろ！！」

「可笑しないわ。ええから、はよ布団入れって」

「…………そもそも、あんた人に布団入られるの無理やろ」

「無理やで？それでも、俺はお前を寝かす」

「やから、なんでヨコにそんなこと言われなアカンのやって話やんか！俺は子供でもなければ、嫁でもないんやぞ！？」

自分で言いながら泣きそうになる。
何でやろ、ヨコの前やといつでも気持ちが傾く。
すばるが居らんようになってから余計にや。
すばるは多分、こんな俺の事をわかってて上手に関わってくれてたんやと思う。

残りのメンバーの前では、年上で先輩って気持ちがあるから無意識に気を張ってたんやと思う。
やから、ヨコの前だけでは無意識に頼りたくなるから気持ちがどんどんと底に沈んで行く。

ヨコは俺の腕を引いて、無理矢理ベッドの上に倒す。
そのまま母親が子供を寝かしつけるように、一緒にベッドに倒れた。