五条悟は庵ちゃんが気に入らない

交流会に禪院あり ページ33

五「なんで、お前がいるんだよ？」


『……？』


背後を振り返ると自分の腰に手がまわる感覚がしたと同時に、至近距離に端正な顔立ちが近づいた。



直「Aちゃん、やっと会えたなぁ。」



『ｯｯ！どなた、ですか……』


軽薄そうな見た目からは考えられない程の威圧感に、喉が締め付けられるような感覚に陥った。



直「あぁ、ごめんなぁ。会えたのが嬉しくてつい抱き着いてしもたわ。挨拶が先よな」



腰に絡まる腕が緩まるのを感じた。



直「俺は禪院直哉。禪院家次期当主や。覚えとき。」



まるで知っていて当然とでも言いたげな表情で冷たく言い放つ禪院直哉。



糸(この方が禪院直哉……。苦手なタイプです。)



五「いいからそいつ離せよ。つーか、なんでいん
だよ」



直「交流会の監督任されたんよ。問題児が2人もおるからなぁ」



五「禪院家次期当主様が直々に？他に理由あんだろ。」



直「皆まで言わすん？この子貰いに来たんや」



五(やっぱりな。なるべく情報回らないように手回してたのに)



直「お前やろ？Aちゃんの情報来んように手回したの。余計なことすんなや糞ガキ」



五「キャンキャンうるせぇな。大した実力もないくせに次期当主とかほざいてんなよ。ダサ」



直「お前と話してると頭おかしなってくるわ。」



五「交流会終わったら覚えてろよ」


直「おー、こわ。行こか、Aちゃん。特別席で見学させたるわ」


『いえ、七海君たちと一緒に見学しますので結構です。ご厚意感謝します。』


この男を怒らせては行けないと判断し、なるべく当たり障りのない回答を口にする。


直「……七海ってどいつや。」


七「私ですが。」


禪院直哉に怖じける様子も無く淡々とした口調で答える。


直(外人か？変な髪型しとんな。それより……)



直「Aちゃん、男の言うことは聞くもんやで？男尊女卑。これが正しい男女のあり方や」


断られたことに対して腹を立てているのかイラついた様子で告げる直哉。


『…………。』



五「A、なんかあったらすぐ連絡しろ。」



『分かりました。』



禪院直哉に連れていかれるAの後ろ姿を見送る。



家「ムカつくやつだな。」


歌「ちょっと！どうすんのよ、A連れてかれたじゃない！」


五「ごちゃごちゃうるせー。大丈夫だよ。」


夏「悟が言うなら大丈夫だ。そろそろ時間だからスタート地点に向かおう。」

･→←姉様との再会

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す