【黒バス】ミーハー悪女と間違われた人の話3

129話　緑間side ページ30

毎朝恒例のおは朝占い、本日のラッキーアイテムは『学校の屋上の写真』らしい。

そんなものあっただろうかとアルバムを広げて見たが、それらしき写真はない。

スマホ内の写真を漁ってみれば、一枚だけ屋上が映っている写真を見つけた。

それは……桃井から送られてきた奴らとの写真。

それもわりと最近のやつなのだよ。

まだ転校してきていなかった須藤と撮影者の桃井は映っていない。

そのせいか、だいぶ華のない暑苦しい写真だ。

確かに一名、女子がいるが……あれはカウントしないのだよ。

そんなことはどうでもいい、果たしてこの写真でオレの身は守られるのか――ここが重要だ。

何故なら、これは屋上の写真というよりも、写り込んでいる奴らが目立ちすぎているため、オレたちの写真と言えるからだ。

オレも人のことを言えないが、主に髪の色が目立つ。

……仕方ない、学校へ行って屋上の写真を撮ることにするのだよ。

だからせめて、オレが屋上にたどり着くまでは守ってくれ、三割程度の屋上の写真。


オレは、途中事故にでも遭うのではないかと警戒しながらも、急いで学校の屋上へと向かった。


どうやら三割程度の屋上の写真は、それなりに効力を発揮してくれたようだ。

無事に屋上の扉の前まで来ることが出来たオレは、安堵のため息を吐く。

三割の効力が切れる前に、さっさと写真を撮ってしまおう。

朝練もあることだ、急がなければ。

そう思い、屋上の扉へ手をかけようとしたとき――扉はひとりでに開いた。

オレの視界に映りこむは、須藤凪沙の姿。


「――っ!!」


須藤はとても驚いた顔でオレを見る。

オレは先日のこともあって、とても冷めた目で彼女を見た。

そして彼女は無言のまま、オレの隣を通り過ぎて行く。

須藤がいなくなったことで、次に映り込んだのは――Aだった。

一体なんだというのだよ。

二人は敵対しているのだろう？

130話→←128話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す