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128話 ページ29

でも――振り上げた右手を、彼女へ振り下ろすことはなかった。

目の前の女の怯え切った顔を見て、私は冷静になったのだ。

ここで強気に出られていたら、本当にビンタしていたかもしれない。

でも彼女は無抵抗であり、こんなのはただの暴力だ。

須藤グループのご令嬢が、己の手を汚すなんてしてはいけないことよ。

これ以上不利になっていいわけがないでしょう?

そう自分に問いかける。

私は振り上げた右手を降ろし、彼女に何も告げぬまま屋上のドアへと向かう。

無言のままドアノブに手をかけ、それを開いたとき――私の思考は停止した。

ドアの向こうに立っていたのは、緑間君だったからだ。

もしかして、今の会話を全て聞かれていた?

彼に向けられる冷たい目に、全て聞かれていたのだと勝手に決めつけ、逃げるようにその場を後にした。


灰崎君に伝えないと。

緑間君には何も聞かなくていいわよ、って。

今のを聞かれていなくても、彼の目を見れば、私が嫌いなことなんて明白じゃない。

答えがわかっているのなら、時間を割く必要なんてないわ。


ホント、灰崎君の言う通り、悪手しか打たないのね。

思い知ったわ、自分がどれだけ馬鹿なのかを。

やっぱり、大人しくしていましょう。

感情的になるとろくなことが無い、そんな当たり前のことを学ぶことになるなんて、私は本当に須藤凪沙なの?

私を崩壊させているのがあのアホ面女だなんて、最悪ね。

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月夜 黒輝(プロフ) - 新感覚で面白かったです!なんかアレですね、自分の方がいいのにっていう嫉妬なんですかね?可愛いと思えました!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2019年6月24日 21時) (レス) id: 7066949ba0 (このIDを非表示/違反報告)
凛花(プロフ) - 続きが楽しみです!更新頑張って下さい。応援しています! (2019年5月4日 2時) (レス) id: 72403510b8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» 申し訳ありませんが、リクエストはご期待に沿える自信がないため受け付けておりません。コメントありがとうございました。 (2019年4月27日 13時) (レス) id: 2e9e872d87 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 祥吾様の小説も書いて欲しいです (2019年4月27日 10時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 緋寄@紅鬼姫さん» こちらこそ、お読みいただきありがとうございます! (2019年3月11日 19時) (レス) id: 2e9e872d87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年4月20日 17時

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