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どさり、と隣に座り込んだ酔っ払いに、斎藤はびくりと肩を震わせた。


「お、おい、A…?かなり酔っているのではないか?そろそろ、帰ったほうが……」


例によってAを直視できない斎藤は、顔を俯けままそう口にする。が、今のAに届くわけがない。


「さいとーさーん。」


Aは譫言の様に斎藤の名前を呼ぶと、その肩に寄りかかった。


「うわぁ、Aちゃん大胆。」


沖田が楽しそうに笑う。他人事だと思いやがって、と斎藤が沖田を睨みつけるが、現状は変わらない。

すぐそばにいるAから酒の匂いと混じって何かいい香りがする。これは遊女の格好をしているからなのか、元からなのか。そんなことを考えるだけで頬が上気してくる。


「なんか眠たくなって来た……」

「は?おい、待て、A!寝るな!おい、A!」


斎藤の呼びかけも虚しく、Aは睡魔にその意識を奪われた。

第十四話 よいの開け→←第十三話 酒と女は節度を持って



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作者名:雛菊 | 作成日時:2015年10月12日 23時

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