「タイムアップ」 ページ33
Aside
第3Q残り1分。桐皇の様子がおかしい。
11番はミスディレクションが使えなくなりマークは諏佐に戻った……
まさか…！！
赤司「Aと千尋は気付いたかい？」
樋口「え、何に？」
貴方「相手の視線を自分から外すんじゃなくて味方から外す……自分以外の全員に消えるドライブと同じ効果を与える………であってる？」
赤司「そうだな。しかし、同時に誠凛は未来を捨てている」
桐皇相手にネタばらしをしながら手品をやっているのと同じ。
つまりこの試合が終われば、桐皇にはミスディレクションが使えない。
お互い同じ東京地区。決勝や予選で当たるのは確実。
他の選手がいくら成長しようが切り札無しで勝てるほど桐皇は甘くない。
つまり誠凛は、この先桐皇に勝つための可能性を捨てた。
貴方「……この先の可能性を捨ててまでの欲。彼は何を思って試合に出てるんだろうねぇ」
黛「さぁな。」
────
──────
第4Q終盤。
青峰と火神のゾーン対決が始まった。
葉山「……試合、動きがないね。」
根武谷「だな。他の四人で回すのはダメなのか？」
実渕「無理じゃないかしら？あの二人、守備範囲は相当なモノだと思うもの。」
玲央ちゃんの言った通り、あの二人の守備範囲は常人のソレを越える。
黛「エースに託された、て感じだな」
樋口「だな…。」
それからは早かった。
残り数秒で3点差。でも、勝つにはあと二回ゴールが必要。
3Pで同点を取ったとしても、桐皇が勝つのは確定。選手の控えもいるし、スタメンの体力もまだある。
それに比べて誠凛は選手層も薄く、スタメンの体力はギリギリ。
貴方「……フリースロー、か」
黛「間違いなく外す。……てことは、リバン勝負か」
試合が終わるコンマ数秒。火神が決めた
桐皇が、一点差で負けた。
貴方「………」
黛「………」
樋口「………終わった、な」
翔一が、諏佐が……桐皇が、負けた。
IH準優勝校、初戦敗退
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作者名：ハク | 作成日時：2020年4月5日 14時
