万事屋の坂田くんは狼少年を愛しすぎている(参)

１２４ 脛 ページ37

外に出てみると、本当に動物が人間化していた





神「定春ーちゃんと着いてきてるアルか？」


貴「神楽、
お前連れてる奴すね毛生えてんぞ、オッサンだぞ」


新「やめてください、Aさん。
もしかしたらお兄さんかもしれないじゃないですか」





確かに


その説もある






その時、ドンッと通行人と肩がぶつかる




貴「あ、すみませ……うお、」

「ヂュヴヴ！！」





上半身だけ人間

下半身はでかい鼠




鼠人間はこちらを一瞥したあとそのまま二足歩行で歩いていく






貴「なぁ、銀時ー」






前を歩いてるはずのもじゃもじゃの肩を鼠人間を見送りながら掴む







貴「あのさ……」






ぱっと顔を前に向けると、







貴「え゛」






誰…



俺が掴んだ肩は銀時のものではなく、何故か号泣している、頭から猫の耳が生えたひょろっと背の高いメガネの男だった




鼻水だれだれで、ぐすぐすと耐えず涙を流している





…関わらないでおこう







貴「す、すみません、間違えました…」


？「まって！！まってまってまって！！」






呼び止められ、しょうがなく振り向く





？「君、人間だよねぇ！？
知らないかなぁ！？僕のユキちゃん！！！」







え？

ユキちゃん？







貴「知らないですね、さようなら」




にこやかに手を振ると、

ガシィッと腹を掴まれる





貴「なっ、」


？「お願いだよぉっ！！一緒に探してくださいぃー！！！
ユキちゃんっ、ユキちゃぁぁああん！！」




うわ、うるさ




俺の腹で泣きじゃくる男を見下ろす






？「ユキちゃぁぁああん！！どこいっちゃったんだ！！！」


貴「あの…」

？「ユキちゃァァァアア！！！！！！！」









なんで、こうなった…？

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