万事屋の坂田くんは狼少年を愛しすぎている(参)

１０９ 水 ページ22

ｰｰ銀時sideｰｰ



銀「…なぁ、この街の住人…皆おかしくないか？」


新「…へ？」


銀「青い椿で栄えて、つい最近テレビで紹介されたんだろ？
なのに観光客はいやしねえし、まず金ヅルかもしれない俺達を無視するのは何でだ？」




カノウに俺達のことを聞いていて、それで無視するように言われていたとしても、明らかにおかしいこの街の様子




銀「おい、新八
ちょっとそこら辺の奴に足引っ掛けて転ばせてこい」


新「え！？嫌ですよ！！
なんで僕なんですか！！！！」


銀「いいからいけって、飴やるから。」


新「要らねえよ！！アンタがいけ！！」


銀「やだよ、俺はやだよ。」



((ｶﾞｯｼｬｧｰﾝ!!))




新八と言い合っていると、後ろからすごい音がする


音がした方を振り向くと、そこには店にくい込んだ街の住人であろう人と、少し離れたところに神楽





銀「なァァア！？！？
何してんだお前！！！足引っ掛けるだけっていったろ！！ちょっと転すくらいで良かったんだよ！！目立つだろそんな事したらァ！！」


神「…ちょっと足引っ掛けただけアル」

銀「じゃないよね！？めり込んでるよ！？
人が壁にめり込んでるよォォオ！？」


新「あーもうコレで街中大騒ぎに…」




…




新「なら、ない」




街を歩く人は何も起きてないかのように

そしてめり込んだ人も血だらけのまま笑って壁から出てまた歩いていく




銀「…こりゃ、街ごとアイツらの城ってか」

新「さらに実験所がどこか分からないですね…
情報を集めようにも…」

神「それならふりかけ工場じゃないアルか！？
みんな毎朝ふりかけかけて、それを食べて薬盛られたとか！！」

新「ふりかけを食べない人もいるでしょ
それに、その考えで言ったらケチャップ工場も…」



ここまで来たらわかる



皆が毎日絶対に口にするもの、触れるもの




銀「水だ…」




水の供給施設に走る


後を新八と神楽もついて走ってくる





新「叶は水に薬を混ぜてこの街の住人の全てを実験体に…」


神「それなら、この街の人達、もう助からないアルか…？」


新「いや、それはまだ分からないけど…」




Aが薬漬けになっていたらどうすればと気が焦る




水供給所に入ると、淡々と作業する従業員達


誰もこっちに目を向けない





それならこちらもやりやすい




必ず見つけてやる

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