万事屋の坂田くんは狼少年を愛しすぎている(参) (ページ13)

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叶「へえ、面白い人達だ
ああ、そうだ、丁度試したい薬があったんです」

カノウがニヤリと笑った

叶「じゃあ茨…まずそこの銀髪の彼から固定してくれますか」

茨「わかった」

俺の横にいた迫田茨が銀時の方へ歩いていき、銀時を地面に押し付ける

銀「ッ、おいおい、お前らの実験施設とやらに連れてってくれるんだろ？
こりゃちと手荒なんじゃねーの？
そんなに押さえつけなくても抵抗なんかしねえっつーの」

そう銀時が言うと、カノウは心底驚いたようなキョトンとした顔で銀時を見る

叶「なぜたかが人間の男を僕の城に…？
薬ならここにありますから、君達の治験はここで行います」

新「なっ！？」

叶「この薬はね、人の臓器を壊す薬なんですが、何秒持つのかまだ実験したことがなくてね。
あ、狼くんは後でじっくり実験しますからね」

にこやかに笑っているが、狂気にしか見えない

迫田茨に注射器が渡され、それを銀時の腕に近づける

叶「わかっているでしょうが、動かないでくださいね…？」

銀「ッ、」

このままだと

銀時も新八も薬の実験台にされて、終まいには殺されるだろう。

神楽も…

俺が江戸に戻ってきたから。

神「っ、銀ちゃん…！！」

神楽が止めに入ろうとするのを、止める

神「なんで止めるアルか！？
このままだと銀ちゃんが…！」

神楽が泣きそうにするので、俺はニコリと笑ってやる

俺の特技は人の神経を逆撫ですること

あと、営業スマイル

貴「おいそこの、神様気取りの恥ずかしいクソッタレ変態野郎」

銀時と新八が驚いたような顔でこちらを見る

神楽も然り

叶「今の誰の事です？」

貴「はあ？そんなんお前しか居ねえだろ
なあ、迫田茨！お前もそう思うだろ？」

茨「はっ！？」

貴「だってそうだろ、さっきから見てりゃ、汚い仕事は全部人任せじゃねえか」

神楽を最初に刺しかけたのも
新八の足を撃ったのも
銀時を地面に押さえ付けて、注射器を打つのも

2年前、家を燃やしてあの優しい家族を葬ったのも恐らく…

貴「“叶様”なんて呼ばせて、自分を高く吊し上げてるくせして自分はただの奇怪な趣味を持った変態野郎とか、マジで笑えんだけど」

銀時を押さえ付けている迫田茨が憎悪の籠った目でこちらを睨んでくる

カノウは笑顔を張りつけたままこちらを見ていた