万事屋の坂田くんは狼少年を愛しすぎている(参)

９８ 涯 ページ11

ｰｰ貴方sideｰｰ





銃声のする方へ向かうと、銀時とその少し後ろで女を背中に庇う神楽がいた




あの女が迫田茨…




この銃撃戦は彼女が仕込んだものか





とりあえず急いで神楽と迫田を離さないと…





そう思った時、今まで“恐怖”の表情を浮かべていた迫田がニヤリと笑う


何するつもりだ？



その時、太陽の光に反射してチカッと鋭い光が俺の目に入る





貴「ッ、」





反射したのはナイフのようなもの



くそ、間に合え…！！






貴「神楽ァァァアア！！！！！！」




神「！？」




ズプッと背中に突き刺さるナイフ



神「え、？
…A…？」


貴「ぐ、ゲホッ…！」



血を吐き出す俺と涙目の神楽をを温度のない目で迫田茨が見下ろした



神「い、茨…？なんで…？」




やばい

神楽を、護らないと…






その時迫田茨の首筋に木刀が当てられる





銀「どういうつもりだ…？」



迫「…」




迫田は黙ったまま、静かに銀時を見た




銀「返答次第で首を刎ねる。」




銀時の赤い目が鋭く光る

その時落ち着いた男の声が銀時の後ろから聞こえた




？「あれ、“狼くん”を傷付けちゃったのかい？茨。」




ソイツは気配なく、銀時の頭に銃を突きつけていた




？「ダメじゃないか、僕は彼の全てが欲しいんだから。傷付けないでって言っただろう？」




困ったような顔をして迫田茨に笑いかける




迫「だって…狼男が飛び込んできたんだもん…
私だって狼男は傷付けるつもりなんて無かったわ」






…言い方からして俺以外は殺すつもりだったみたいだな






？「さて、木刀の君、茨から刀を引いてくれるかな？
じゃないと僕の指が動いてしまう」



銀「…あァ、いっそ勝負するか
俺がこの女とお前の首を体から切り離すのとお前が俺の頭をぶち抜くの、どっちが早いか…」



？「強気な若者は嫌いじゃないが、それは賢明じゃないね、やめておいた方がいい。」




男がそう言うと、新八が数人の男に頭に銃を突きつけられて両手を挙げて出てくる




？「彼、君達の仲間だろう？
護りたかったら動かないでください」




しまった、俺があの時新八を1人にしていなければ

いや、ここへ連れてくるべきじゃなかったんだ




銀時がスっと刀を下ろすと、迫田茨が俺に近付いてくる




神楽をぐいっと引っ張り背に隠した

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