からかわないで、月永くん。

５.言わないでください ページ6

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母さんが買ってきてくれた可愛らしいピンを身につけてきたのだが果たして誰か気づいてくれるだろうかと内心ドキドキしている。

一人くらいは気づいて欲しい。流石に誰にも気づかれずに一日が終わるのは避けたい。





「お、Aだ〜！やっほ〜っ！」


『やっほーい。それよりも月永くんや。いつもと何かが違うと思わないかい？』


「うーん....分からんっ！」


『いやいやいや諦めるの早くね！？よーく私の方を見てみれば絶対に分かるって！！』





そもそもちゃんと私の方を見たのだろうかと思ったが絶対見てないな。

うーん、と唸ってはじっと見つめるを繰り返す月永くんを見ているとなんか面白い。


すると何かに気づいたのか、はっとした表情を浮かべた月永くん。気づくのが遅いな。





「よーく見たらなんか可愛いなっ！いつもよりキラキラしてていいぞ！」


『....月永くんからそう言われる日が来るだなんて感激だわぁ。』





可愛いだなんて滅多に言われないものだから照れてしまう私。仕方ない。今まで誰も可愛いって言ってくれなかったのだから。





「そのピンいいな〜っ！それって何処に売ってたのか教えろよっ！」


『....ん？』


「あぁ本当にキラキラしてて可愛いぞ。いつまでも見ていたいくらいにな！」


『私じゃなくてピンの事かよ！！』





いやピンを身につけている事に気づいてくれたのは大変嬉しい事なんだけどさ。月永くんのあの言い方だとピンじゃなくて私に対して言っていると思ってしまうではないか。

月永くんを見ると＿＿やはりだ。やはり笑っているではないか。





「もしかして、おまえに対して可愛いって言っていると思っちゃった？まぁ仕方ないか。あんな言い方だと勘違いしても仕方がない事だからな。気にしなくても大丈夫だぞ！」


『お願いなのでこれ以上は言わないでくださいぃぃぃぃぃぃぃ。』





そんな笑顔言わないで！
私のメンタルがやられちゃうから！


*ピン*





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