からかわないで、月永くん。

１５.聞かないでください ページ16

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彼がどうしても会いたいと言うので、互いの都合が合う日に会う事に。

待ち合わせ場所は近くの公園。
普段の弟ならば絶対に嫌だと言う。が、お前の好物であるアイスを買ってあげる、と言ったらすんなりと着いてきてくれた。....ある意味単純。





「こいつが例の弟か？ははっ！おまえにそっくりな顔だな！」


『まぁね。昔からよく言われるわ....。』


「で、名前はなんて言うんだっ？待って！絶対に言うなよっ！」


「....悠斗(ゆうと)。」


「何で言うんだよっ！兄妹揃って安易に答えを言うなよっ！？」





....元気だな。
隣にいる弟を見ると疲れているようだ。まぁこんなにもテンションが高い人と日頃から関わるような子じゃないからな。小学生なんだから明るく元気よく遊びなさい！、なんて言わないけどさぁ。

レオくんが色々と弟に質問している。好きな食べ物や好きな事、Aの普段の様子....って、私の普段の様子？





「おまえのお姉ちゃんって家ではどんな過ごし方をしてるんだ〜っ？」


『ちょ、何で私の質問....。』


「....家ではダラダラしてる。」


『何で答えたんだよ....。てか、もっと別の答えがあったでしょ！？』





弟の答えを聞いた後、レオくんの視線が一瞬だけ私の方へ。何か言いたげだなこのやろ。

どんなにレオくんが話し掛けても弟の表情が変わる事はない。ある意味強者だな。いくら会話が苦手でもレオくんとならいけると思ったんだけど。





「....こいつ面白いなっ！」


『....え。』


「....え。」





月永くんの言葉に驚く私と弟。偶然にも被るとは思っていなかったけど。

....レオくんってそういう人だったな。彼の面白いの基準はよく分からないけど。弟に対しての思いは嘘ではなさそうだ。

あの無表情だった弟でさえ驚いた表情を見せているではないか。あらま珍しい。





「....変な、人。」


「わはははっ！おまえも十分に変なやつだと思うけどな〜っ！」





え、これって仲良くなってるんじゃね。弟を見れば満更でもなさそうだし。

やっぱりレオくんは凄いなぁ....。





「じゃあ今から遊ぼっか！」


「いや、僕あんま動きたくない....。」


「ならお話しよっ！そうだな〜っ、学校でのお姉ちゃんの話をしてやるから、おまえは家でのお姉ちゃんの話をしてっ！」


「....それなら。」


『いやよくねぇわ。』


*弟*





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