缶バッチが四十一個 ページ44
目が覚めた
ここはベッドの中…？
そうだ…兼さん…
ガチャ
部屋のドアが開いた。もしかして
あれは夢だったのでは？と
いう考えが思考を巡った
あれは夢で、今は朝で、
今開いたのはいつものモーニングコール
そう信じて開いたドアの方を見た。
そこに立っていたのは
少し前に家に来た女役人だった。
許せなかった
あんな、一時の快感のために彼を手の届かないところにやった政府が
『何しに来たんですか……』
殺意を向ける
こんな小娘大したことない
とでも言うかのように役人は私を見る
「申し訳ありませんでした…！」
『え……』
役人は頭を深々と下げた
私は驚いて間抜けな声が出る。
「彼があなたの元に行ったと聞いて、
急いできたのですが、
着いた時には…もう…」
『彼は…何者なんですか…？』
「彼は和泉守兼定の元いた本丸の
担当をしていた者です。」
不始末を片付けに来たのか…
時刻は午後10時を指していた
政府が来るには余りにも早い時間だったのだ
気持ちが早まって気づけなかった。
我ながら情けなくて涙が出る
泣き始めた私を見て
役人さんはオロオロし始めた。
スっと何かを渡してくる
ハンカチだ。
イケメンかよ…と思いつつも受け取る。
好意を無駄には出来ない。
きっとベッドに寝かせてくれたのも
彼女だろう。
「私は政府の下っ端ですので
何もしてあげられません。
彼から聞きました、
彼はああ言いましたが私はそうは思いません
身を挺して彼を助けようとしてくれていたのですね…」
『でも、この有様で…何も出来なくて、
彼とももう…会えなくなりました…』
結局私は何も出来ないただの小娘
兼さんと過ごした日々が頭に浮かんでは消え
それでまた、涙が溢れてくる
役人はめそめそ泣く私を真っ直ぐ覗き込む。
可愛らしい顔立ちをしているな、と思い
私も向き合った
「もし、貴方が本当に彼を助けたいと思うのなら…
これを。」
そう言って彼女が渡してきたのは
折れた二本の刀_______
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 443人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
姫(プロフ) - 硝子屋梛霧さん» 暖かいコメントありがとうございます!!更新もテストも精一杯やってきますね！ (2017年9月24日 19時) (
レス) id: 4620c91c0f (このIDを非表示/違反報告)
硝子屋梛霧(プロフ) - とても面白いです……！更新待ってます。テスト、頑張ってください！ (2017年9月24日 19時) (レス) id: d7d1167bbc (このIDを非表示/違反報告)
姫(プロフ) - Ryo Inoさん» コメントありがとうございます!!惹かれますか！？嬉しいです^^更新頑張ります！ (2017年9月24日 6時) (レス) id: 4620c91c0f (このIDを非表示/違反報告)
姫(プロフ) - 鶴夜さん» 盛夏服はセーラーなんです。ネクタイがボタンでつける式なので巻かないのか...と少しガッカリしています（笑）更新頑張りますね！ (2017年9月24日 6時) (レス) id: 4620c91c0f (このIDを非表示/違反報告)
Ryo Ino(プロフ) - このお話すごく惹かれます！！更新がんばってくださいねー！！ (2017年9月24日 2時) (レス) id: 6f1e17abd4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：姫猫 | 作成日時：2017年6月29日 21時
