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「チチチッ!」




「はいはいわかってるって」





 寝過ごしたあと、慌てて支度をしてメジロ丸に急かされながら任務地に向かっているのだがまったく頭が冴えない
 
 やー……いつにも増して今日は寝覚めが悪い。なんて他人事のように考えながら足を進めていれば、日が完全に落ちてしまい辺りが真っ暗になってしまった

 しまった、早くしないと鬼が出てしまう


 走る速度を上げれば、結構すぐについた。辺りは静まり、特に変わった色もみられない





「?………」





 いや、微弱だが淀んだ色が漂ってる


 おかしいな、どこにも鬼が見当たらないのに



 警戒しながら村を歩いてみてもらしき姿は見当たらない。兄さんに言われてからつけ始めた組紐の効果がしっかり効いていて、最近では前に比べて寝不足にならない程度に鬼と遭遇しなくなった。

 


 はぁ、とため息をつくと近くの物陰からなにかが落ちる音がした
 猫……?犬………?
 色をよくみればその物陰から淀んだ色が漏れでていた



 ゆっくりと近づき壁に身を潜めながら物陰の様子を伺えば、慌てた様子で落ちたものを直そうとしている小さな鬼がいた?子供だ

 しばらくその様子を観察していると私に気がついた途端、真っ青な顔して腰が抜けたのか尻餅をついた




「お、鬼狩りっ……」




 どうにも様子がおかしい。色もなんだか怯えたような色をしている。え、私恐がられてるの?




「君は、鬼だよね?」




「………っうん」




 カタカタと震える鬼は目に涙を浮かべどんどん恐怖の色が濃くなっていっている。




「そんなに怯えないでよ、すぐに君を殺したりしないからさ」




「本当……?」




「うん、本当本当」




 私の言葉を信じ、大人しく物陰から出てきた鬼は齢四歳ほどの女の子だった
 ………こんな幼い子までもが鬼になってしまうのか、と悔しさのあまり唇を噛んだ。




「……ここで何してたの?お腹は空いてない?」




「お、姉ちゃんとはぐれちゃってっ……どうしたらいいかわかんなくてっ、ずっと隠れてたのっ」



「そっか……」




 女の子の淀んだ色は薄いけど、禰豆子ちゃんほど澄んでない。この子は確実に一人は人を食べてる。きっとその姉を食べてしまったんだろう




「じゃあ一緒にお姉さん探そっか」

五→←三



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設定タグ:鬼滅の刃 , 愛され , 冨岡義勇   
作品ジャンル:恋愛
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himeka8170(プロフ) - スイロ。さん» ありがとうございます!完結できるよう頑張ります! (2020年4月28日 8時) (レス) id: d6a519e554 (このIDを非表示/違反報告)
スイロ。 - 初見、 初コメ失礼します!面白いです! (2020年4月24日 13時) (レス) id: 8775389a41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沼ってます | 作成日時:2019年11月27日 15時

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