【歌い手】都市伝説系歌い手６。【男性声優】

｛２８２｝side：うらたぬき ページ48

あと１時間くらいでAさんと和希さんの殺陣演劇が始まる時間帯だから、俺達は出店を見て回るのも程々に会場が設営されてる新庄駅の東口へと向かっていた。
･･･って言っても坂田が出店全制覇しそうな勢いで爆食いしてたんだが。お前そんなんだから身体が水中に沈まないんだよ()

その道中、きらやき銀行の駐車場の前を通りかかった時だった。
俺達、浦島坂田船にとって聞き覚えのある曲が流れて耳に届いた。




『俺にするよねぇ？』

うらた「･･･っ！？？」ﾋﾞｸｯ)

志麻「うお、え？
この曲･･･ピコエポやん」

坂田「カラオケ大会やってるみたいやね。
てかあれ、マイク持っとるん姉ちゃんとそらるさんや！」

センラ「うっわ何あれ、そらるさんうらやま･･･」

坂田「うらさんと俺のパートが姉ちゃんで、まーしぃとセンラのパートがそらるさんみたいやね。
･･･うわ、あかん本家超えた()」

うらた「か、格好･･･えろ･･･っ！」




灰色と黒の市松模様の甚平を肌蹴(はだけ)させて着てるAさんと、紺色に青の紫陽花が散りばめられてる柄の甚平をラフに着こなしてるそらるさん。
その、胸元。

･･･そらるさんの胸元に、少し乱れてる柘榴(ガーネット)色のキスマーク。
･･････Aさんの首元に、これまた少し歪(いびつ)なキスマーク。


･･･つまり、あれか。
舞台袖とかで･･･お互いに、口紅をつけ合ったって事か。




うらた「(っ･･･くそ･･･っ。
羨ましいし格好いいしえろいし鳥肌立つし羨ましいけど･･･それを通り越して、)」

志麻「あの二人、めっちゃお似合いやん。
美男美女カップルって感じやな･･･」




まーしぃのその言葉が、俺の心に重くのしかかった。

･･･解ってるよ。解ってる･･･つもりだ。
俺はAさんより背が少し低いし、そらるさんより顔が整ってる訳でもない。でも･･･。




うらた「･･･はー･･･好きすぎて、辛い･･･」

センラ「めっちゃ病んどるなあ･･･わんちゃんの同担拒否か」

坂田「うらさんって好きな子にめっちゃ一途になるんやね」

うらた「･･･そりゃなるだろ。
嫌いになれたら苦労しねえって」

志麻「ひゅー･･･。
ほんまのガチやな」

坂田「てか待って。
ピーポーって確か･･･お互いに抱き合って歌う所あったよね？」

うらた「･･････どっかの出店で包丁かナイフか刀置いてねえかな」




この後もちろん３人に止められた。ちっ()

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