都市伝説系歌い手５。【歌い手】

｛２００｝side：平川 ページ7

梶くんが泣き始めて、櫻井くんが背中をさすってあげた。

･･･本当、こんな自分に腹が立ってしょうがない。


スズに静かに「ヒラ」と呼ばれる。
･･･解ってる、ちゃんと説明する。

みんなからの視線が俺に集まる中、俺は口を開いた。




平川「･････････最初の違和感に気づいたのは、Aちゃんの里帰りに同行してた時だよ」

そらる「違和感･･･？」

平川「･･･Aちゃんの近くで、反応があったんだよ。
​──────盗聴器のね」

全員「「･･･！？？」」

うらた「と、う聴器って･･･！」

平川「アンインストールしたつもりがまだ入ってたアプリが反応してね、その時は何を盗聴してるのかも解らないくらい微弱なノイズしか拾えなかったんだ。･･･けど、」

鈴村「･･･今日、Aちゃんの部屋の所でその時よりも強い反応を拾った･･･やろ？」

平川「うん。
･･･逆探知して、盗聴してる奴らの会話を拾ってみたんだ。
そしたら･･･」




ここから先は聞かせた方が早い。


スマホで盗聴系アプリを開く。そこに保存しておいた音声データを再生した。


ｼﾞ、ｼﾞｼﾞ･･･

『･･･犬​──新宿･･･ホーム･･･先頭に･･････上野行k──灰─​​─とみz･･･ろのパーカー･･･──』
『か･･･は？』
『​───茶･･･のウィ･･･』
『･･･かった​──･･･っちも──に向か･･･───』
『​──･･･当にや──のか？───』
『​─────るに決ま･･････──あんな​──死ねば​────のよ･･･​──が、殺し​───────』

ﾌﾟﾂｯ


平川「･･････音質悪いけど、聞き取れたよね。
内容からして、狙われてるのはAちゃん。明確な殺意もある。
･･･これを聞いて、確信したよ。盗聴器を仕掛けたのは･･････過激なアンチだってね」

緑川「盗聴器が仕掛けられてるって気づいて、どうして誰にも言わなかったの？」

平川「･･･いつどこでどうやって仕掛けられてたのかは解らないけど、盗聴器を外したり壊したりして･･･下手に刺激すればまたAちゃんに接触して来ると思ったからだよ」

まふ「･･････盗聴器だけじゃなく、盗撮用の小型カメラとか仕掛けられる可能性も無くは無いですからね･･･」

平川「･･･うん」

鈴村「だからってお前･･･っ！」


ぐっ

スズが、俺の襟を掴む。
･･･怒られて当然。殴られて当然。

俺が、犯人を甘く見てなければ･･･っ･･･。

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