＠ ページ10
ﾊﾟｷﾊﾟｷﾊﾟｷ･･･ﾊﾟﾁﾝｯ
何かが弾けるような音がして、「よし」と呟くA。
センラ「･･･終わっ、たん？」
A「うん。
見に行く？外見」
三角帽子を被っていない魔女に、４匹は頷いた。
３階に居たはずなのに、建て替えが終わった時には後ろに外と繋がっている玄関扉があった。
それをガチャリと押して開ければ、Aには見慣れた方向感覚がおかしくなりそうな木々が生えている森が広がっていた。
見慣れないのは、その高さだった。
どうやらそこは甲板のようで、４匹のイメージしていたイラスト通りの船になっていた。
坂田「おぉおお！？
え、家の周りこんななん！？
なんやあれ･･･木の形おもろっ！！」
センラ「さかたん落ち着きやwww
でも･･･ほんま不思議な景色やねえ」
A「魔物とか出るから森には行かない方がいいよー」
坂田「魔物！！」
志麻「おー･･･ほんまに船や･･･」
うらた「あれ･･･でも帆が無い」
A「あいにく、ここは海じゃなくて陸だから変に風吹いてポッキリいったりガタガタ揺れるのを一々魔法で直すのも億劫でね。
帆はやめにして･･･あれにしといた」
あれ。と言われてAの視線を追う４匹。
視線の先には玄関扉のすぐ横･･･黒い木製のポスト。
船にポストと言うのもかなり浮いているが、そのポストには４匹には見覚えのあるマークがデザインされてあった。
坂田「わー！
え、俺らのマークやー！」
センラ「でも、なんでポスト･･･？
郵便とか、伝書鳩とか魔法でふわふわ〜って飛んでくるんやないん？」
A「あのね、そんなゆるふわファンタジーなていのいい魔法使ってたらあっと言う間に魔力尽きて死(自主規制)か(自主規制)死するからね。ついでに言っとくけど魔法の絨毯とか魔神が出てくるランプとか魔法で鍛えた杖とか･･･魔界には無いよ」
うらた「え、無いの？」
A「無いの。
･･･っと、そろそろ中に入ろうか。それぞれの部屋も作っといたし･･･あ、一人部屋で良かった？」
坂田「おん！」
センラ「僕らこんなんになる前は普通に別々に生活してたしねー」
A「そっか。
･･･じゃ、中に入ろ」
また家の中に入っていく１人と４匹。
その直後。
１匹のコウモリがバサバサとポストに向かって飛んできて、１通の巻手紙を投函していった。
その巻手紙には、十字架のような紋章の蝋で封がされていた。
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作者名：暇犬
| 作成日時：2018年5月29日 22時
