+4歩目+ ページ4
ふわふわの背中まである、少しだけ紺色が混じった黒髪。
派手に着飾っていない服装。
いつも愛用してる赤いメガネと、白いトートバッグ。
リップとファンデーションだけの、そばかすを軽く消す程度のシンプルで最低限な化粧。
優しそうな、それでいてまっすぐな透き通った黒目。
ま・・・間違いない・・・彼女や・・・!!
ポチ公像の方に向かってとてとてと歩いてくる彼女。か、かわええええ・・・!なんなん小動物!?
不自然に言葉を区切った僕を不審に思って、坂田くんから「センラ?」と声をかけられる。
あ、あああ・・・!
あの子がこっちに・・・あ、あかんって!!
僕は慌ててポチ公像の影に隠れた。
うらた「え、なにやってんのお前・・・」
センラ「あ、あ・・・っあの子居る・・・!
こっち、来てる・・・!!」
志麻「え、マジで?
どの子?」
センラ「く、黒髪で赤いメガネかけてて・・・灰色のブレザーみたいなん着てる・・・!」
坂田「・・・あ、もしかしてコンクリの植え込みの所でスマホ触ってる子?」
センラ「その子・・・!」
あかん・・・!
なん、な・・・っなんで今・・・?!
いや会いたい言うたんは僕やけど・・・僕やけど・・・!!
うあああ、ほたるさんまだなんかな・・・すぐそこに彼女が居るって思うと心臓バクバクする・・・!
僕は居ても立っても居られずに、スマホを取り出してツブヤキのほたるさんとのDMを開いた。
僕今ポチ公に居るんですけど、
ほたるさん、どこら辺です?
黒灰白ほたる今着いた所です。
黒灰白ほたる灰色のブレザー着て、赤いメガネかけてます。
センラ「・・・・・・え・・・?
・・・待って、ほんま待って・・・」
志麻「今度はなんやwwww」
センラ「灰色のブレザー着て・・・赤いメガネ・・・?」
坂田「うん、センラの好きな人の服装やろ?」
センラ「・・・・・・い・・・」
うらた「い?」
センラ「・・・今、待ち合わせしてる絵師さん・・・あの子なんやけど・・・」
・・・つまり、待って?
え・・・ほんま・・・、ちょ・・・待って?
僕が今やり取りしてるほたるさん・・・彼女やったん?
え・・・・・・え?
志麻「へー、奇跡やん。
これを機に仲良くなれるんとちゃう?」
坂田「良かったやん!」
うらた「となると、俺らは邪魔だよな。
ラマン、あとはがんばれ」
そう言って立ち去ろうとする3人の服を、僕はガシッと掴んだ。
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作者名:暇犬 | 作成日時:2018年3月18日 5時