ns 三国駅 ページ19
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大ちゃんと帰り道を歩いた。
冬の夜はとても寒い。寒さに耐えきれずに、温もりを求めて大ちゃんの指に自分の指を絡ませる。加えて小雨が降ってきて二人で一本の傘をさして、雨で濡れていく街灯が照らす路地を歩いた。
薄暗さがなんだか怖くて、狭い傘下で肩を寄せると、そっと抱き寄せてくれることを俺は知ってる。
ホテルに帰ったらきっと押し倒されるんだろうな。だって、繋がれた手が焼けそうなくらい熱いから。
世間的にはアブノーマルな関係になって1年ちょっと。抵抗はないし愛が足りないわけでもない。
けど、
「正しい、のかな。」
この関係に未来があるのかと問われれば、俺は素直に頷けない。
いくら大ちゃんに溺れて朝まで愛し合っても、子供なんてできない。妊娠すらできないんやから。
曖昧な、口約束のようなこの関係が、ふとした瞬間に綻んで、もつれて、ぐちゃぐちゃになってもう戻らなくなってしまったら。
そんな不安を、素直じゃない俺は口にできた試しがない。
「正しいよ。」
大ちゃんは俺を見て笑った。
分かってるんだ。俺もだいちゃんも。
お互いがどれだけ大切に思っても、結婚できないという事実は変わらないこと。
でも、
「⋯⋯そうやね。正しいね」
大好きで、大好きで、死んだって離れられそうもないから。今はこの愛に溺れて、二人でずっと手を繋いで歩いていたい。
歩き続けた道の先に何があるのかなんて知らないけど、ましてや何かがあるのかどうかもわかんないけど。
大ちゃんが正しいって言うんやから、きっと正しい。少なくとも間違ってはいない。
「だいちゃん、愛してる。」
繋いだ手に力を入れると大ちゃんが更に強く握りしめてくれた。
あぁ、もうそれでいい。それだけでいい。
(繋いだ手を離したくない、)
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咲希@skrmc(プロフ) - 50話まで書き切りありがとうございました。更新してくださっている間、とても素敵な時間を過ごせたと思います。度々気になっていた最後の｢（）｣。あれは歌詞だったのですね。また恋香さんの小説が作成され、機会があればまた読ませていただきます。 (2022年5月28日 0時) (
レス) @page49 id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
rinu - 純愛でした♥ (2022年4月6日 0時) (レス) @page33 id: d47608d8bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋香 | 作成日時：2022年2月15日 16時
