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「俺の方が絶対一途やで」
「⋯流星は、俺が一途やないと思ってるん?」
「思うで、好きやない人にちょっかい出しすぎるくらいには」
「いたいこと言うやん、3年前の俺のセリフ?」
「⋯⋯覚えてるんや」
「当たり前やん。ガキやったな、俺」
「うん」
自分が言ったことも、俺から離れていったのが3年前だということも覚えてるなんて丈くんらしくない。
「ちょっと来て」
「え、なにっ、」
腕をぐいって引っ張られて、使っていない控え室に連れていかれた。
「流星、一途やって言ったよな」
「言ったけど、なに」
「あの頃と気持ちは変わってないってこと?
そんな素振り1度も見せたことあらへんやん」
「見せたらいけんくしたのは誰?」
「⋯⋯おれ?」
「そう、丈くんのばか」
「⋯うん、ばかや。ほんとにばかや」
「っん!〜〜っ、は、何するん!」
「好きやねん、あの頃からずっと」
久しぶりにダイレクトに感じた口付けに、3年前の自分の気持ちが溢れて止まらなくなった。
「勘違い、って言ったやん」
「ごめん」
「俺の気持ち、勝手に決めんでって言ったのに」
「⋯うん」
「この3年、どんな気持ちで丈くんの前で笑ってたかわからんやろ」
「悪い、謝る。やから、頼むから泣かんで⋯流星」
「ばか、丈くん⋯っ」
「ごめん、流星。俺もずっと好きやで、
ずっと流星のこと可愛いと思っとる。」
じゃあ、なんであの時、
「なんで俺から離れていったん、」
「やって、普通やなかったやん、あんな関係
流星は男も女も知らへんで、
小さい頃から知ってる俺に依存してるだけやと思ってた」
「っ、そんなこと」
「やから、俺が縛り付けたらダメやって
他の人見て、もっと普通の恋愛して幸せになってほしかった」
「ほんとにばか、丈くんしか見てない。他の人なんて見ようともしやんかった」
「うん、俺も。
流星やないとあかんかった。」
丈くんの匂い。
震える唇にまたキスを落とされる。
唇に息がかかる度に倒れてしまいそうで、
「流星、待たせてごめん」
「ほんとやで、ずっと好きやった」
勘違いでも何でもいい。
誰にも理解してもらえなくていい。
丈くんが笑えばそれでいい。
(それがきっと運命だったから、)
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咲希@skrmc(プロフ) - 50話まで書き切りありがとうございました。更新してくださっている間、とても素敵な時間を過ごせたと思います。度々気になっていた最後の「()」。あれは歌詞だったのですね。また恋香さんの小説が作成され、機会があればまた読ませていただきます。 (2022年5月28日 0時) (レス) @page49 id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
rinu - 純愛でした♥ (2022年4月6日 0時) (レス) @page33 id: d47608d8bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋香 | 作成日時:2022年2月15日 16時