tk しらふの夢 ページ34
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あの日、大吾くんと別れてから、流星くんは誰とも付き合わなくなった。
その代わり、毎日ウチに飲みに来るようになって、酔っては泣いての繰り返しだ。
「だいちゃん⋯、」
そう小さく呟きながら目の前で泣かれる毎日。
流星くんのことを好きな身としては辛いものがあって。
だって、よっぽど大吾くんのことが好きだってことを思い知らされるから。
強くないお酒を飲んで飲んで酔ってフラフラになって、⋯そんな流星くんを見るのが段々辛くなってきた。
でも、ある日。
いつものようにウチに来てお酒を頼んで飲みまくる流星くんは変わらないのに、
今日は、泣かなかった。
ぼーっとしたまま置いてある雑誌なんかを見つめて、一言も発しなかった。
ずっとウチにいて、いつもなら帰る時間になるのに動こうとしない。
流星くんに声を掛ける。
「流星くん、時間⋯」
片手に持った雑誌を見つめたまま、何も言わない
「流星くん、」
トントン、と肩を叩くと、目線はそのまま
口がゆっくりと開いた
「⋯泊めて。帰りたくない。」
⋯へ、?
泊めてっ、て、。
え?
いつもと違う様子の流星くんを帰らせるのは危ないし、外はあの日のように雨がちらついていたから
⋯なんて、自分の中で勝手に言い訳がましい理由を作って、
流星くんを家に泊めることにした。
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咲希@skrmc(プロフ) - 50話まで書き切りありがとうございました。更新してくださっている間、とても素敵な時間を過ごせたと思います。度々気になっていた最後の「()」。あれは歌詞だったのですね。また恋香さんの小説が作成され、機会があればまた読ませていただきます。 (2022年5月28日 0時) (レス) @page49 id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
rinu - 純愛でした♥ (2022年4月6日 0時) (レス) @page33 id: d47608d8bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋香 | 作成日時:2022年2月15日 16時