メカクシ団(非公式)の日常9

↑の続き　by.シマ　※画像付けた ページ32

「これ……使えるかもしれない……」

そう言って引っ張り出したのは、
去年間違えて５サイズ大きいのを買った
紺色の半袖パーカーだ。



「おぉ……そういえば買ったな…」

パーカーの次に眠りから目覚めたのは、
オレもいつかこんなの着てーな､と
一昨年の夏､安易な気持ちで購入した
「I LOVE ONLY YOU」と書かれた
白黒ボーダー柄のタンクトップ。



「あ､これも……切れば使えるな………」

次に見つけ出したのは
先月､安かったからなんとなく買った
真っ白なジーンズだ。
なんで衝動的にこんなもの買ったのか
自分でもよく分からなかったが、
今となっては人生で一番良い
買い物だったかもしれない。

そのジーンズを太もも部分で切ってから
生地の裾を折り返して糸で縫い、
簡易的なショートパンツを作った。
こう見えても裁縫は得意なんだよ。



「完成……あとは……」

クローゼットのすみに眠っていた
ハイカットの赤いくつを取り出す。
これはだいぶ前……
一目見た時､うわ…カッコいいと思って
似合わないくせに買ってしまった。
履く勇気が無くて封印していたがな｡




「これを履けば……終了だろ」

一度も履いてないから大丈夫だろ…と
部屋の中でハイカットシューズを履き､
窓に写った自分を見る。




「よし…完了…」

今まで服になんてほとんど興味無かったが、
意外と色んな服を持ってたんだな…と
自分でも少し驚いた。


全部男物のアイテムだが、
まぁ…大丈夫だろ…。





前髪を止めようと思って先週買ったピンを、
「女になるなんて考えたこと無かったな…」
などと思いながら前髪に止める。



……いつもより視界が広い…。

男に戻れたら､前髪ちょっと切ろうか…。



そんなこと考えながら
オレは扉を開け､部屋の外に出た。






ーーー
ほんとはニーハイソックスを
はいてほしかったんですけど、
シマ(♂)がニーハイ持ってたら
リアルにヤバイ気がしたので
我慢しました(笑)

思い出　byアイ→←(元)女子に服貸してなんて言えない｡by.シマ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す