男物 byイチイ ページ30
「なあ、この服やるよ」
「おっ、マジで?ありがとー…っておいこら。これ男物の服じゃねーかよ」
「その服さー、俺着れなくなったんだよなー。だからやるよ、それ」
「いやいや、男物て…私着る機会ねーじゃんかよー」
…あの時は感謝してなかった。
私は一応女だから、男物の服なんて縁が無いと思ったんだ。
だが、今はこれほどかという程感謝してる。
どのくらいかって、それはー…
「あんたはホントいいやつだよ私はこれ程あんたに感謝したことはないねうん」
反射的に自分の部屋に戻って愛用しているケータイを開き、服をくれた男友達の名前を電話帳から引っ張り出して電話をかける程だった。
『は?いきなりなんだよお前。頭打ったのか?』
「いや、打ってないよ。そんなんじゃないんだけどね、え〜っと、うん」
今の状況を言葉にできず思わず口ごもる。
これ…絶対信じてもらえないだろ…。
てかそれ以前に口外しちゃいけない気がする…。
『…?どーしたんだよ?』
「い、や…。なんでもないよ。あれだ。今度服のお礼するから期待しといてねほし!の電話だよ」
『ほしって…。口で言うなよ。まあ、期待はしとくわ』
「うん。期待しててー!じゃあね!」
通話終了ボタンを押し通話を終え、さて…とベッドに広げた服を見た。
「とりあえず、着てみますかね」
服を手に取り苦笑いを浮かべた様子が、ドレッサーの鏡に映った。
***
「んー、ま、こんなモンだろ」
男物の服に着替えた私は、ドレッサーの前に立ち自分の姿を確認する。
うん。まあ、特に違和感も無いし、大丈夫なんじゃないだろうか。
黒地に白い文字で英語がプリントされているタンクトップの上に、アイアンブルーのカーディガン。
それにココアブラウンのカーゴパンツを身につけた私は、どこからどう見ても女ではなく男だった。
「…あいつ…服のセンスいいんだ…」
服をくれたやつの事を思い出して服の裾をつまみながらうわぁ…と頬を引きつらせる。
すると、茶色の髪が顔に当たった。
男の体になってしまった様だが、髪は大して短くなっているワケではないらしい。
ロングからボブになった程度だ。
うーん…と顎に手を当てる。
「…あ、そーだ」
パチンと指を鳴らしドレッサーの引き出しから髪ゴムを取り出した私は、男にしては長い髪を後ろで一つに結び、左側の横髪を赤いピンで留めた。
「っし。これでいいかな」
そう言って鏡をみれば、満足気に口に弧を書いた私がいた。
ーーー
今度絵載せます!
(元)女子に服貸してなんて言えない。by.シマ→←↑の続き。byミラ
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*LERELUA*(プロフ) - あかおに@シマさん» いやいや~、存ッッ分にニヤつかせて頂きましたwww((((シマナイスッッ♭ (2013年7月13日 20時) (レス) id: ceecd53c0c (このIDを非表示/違反報告)
あかおに@シマ(プロフ) - アヤナさん» ありがとです!!(´∀`*) (2013年7月13日 20時) (レス) id: ed4fa5d702 (このIDを非表示/違反報告)
あかおに@シマ(プロフ) - *LERELUA*さん» いえいえ。………あんな話で良かったのか心配………;; (2013年7月13日 20時) (レス) id: ed4fa5d702 (このIDを非表示/違反報告)
あかおに@シマ(プロフ) - 弱虫道化師さん» いえいえ……。うん……そうか……グレンもか……。……グレンも春か← (2013年7月13日 20時) (レス) id: ed4fa5d702 (このIDを非表示/違反報告)
*LERELUA*(プロフ) - あかおに@シマさん» ありがとうシマ~(*´∀`) (2013年7月13日 20時) (レス) id: ceecd53c0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:非公式メカクシ団 x他2人 | 作者ホームページ:
作成日時:2013年6月26日 15時