一言 ページ40
「また……助けられたな……」
そう小さく呟いたレイラを、そのポケモンはゆっくりと振り向く。
大した事じゃない、とでも言いたげに首を横に振るポケモンにレイラはほんの一瞬だけ頬を緩ませた。
「何で……お前がさっき……ナックラーに気付けたのか……分かった……」
「ぐらっ?」
大きな白い目を瞬きさせるポケモンを見つめ、レイラは続ける。
「お前の耳……どんなに小さい音も……拾えるんじゃねぇの……?」
答えを確かめるように尖った耳を触ってやれば、擽ったそうに身を捩りなながらポケモンは首を縦に振った。
目が見えない代わりに聴力を発達させたお陰で、生きることには何ら不便は無いようだ。
「……すごいな……お前……
自分の弱いところ……強味にしてるんだから……」
そのポケモンに自分の目指すものの一端を見たのか、レイラは声を紡ぐ。
諦めたように、
羨ましがるように。
しばらくお互いに黙り込み、ポケモンがレイラに大人しく頭を撫でられていた時、
不意にその手が止まった。
不思議そうに見上げるポケモンの瞳を、レイラはジッと見つめ返す。
「一緒に……来てくれないか……?」
たった一言、
そこに詰め込まれたレイラの想いを感じとったのか、ポケモンは迷いなく頷いて見せた。
117人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
CrazyBook(プロフ) - コメントありがとうございます!本当に気長にお待ちください。 (2019年8月12日 9時) (レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - この作品好きです!ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2019年7月18日 16時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - かしわさん» コメントありがとうございます!完結するまで更新し続けますので気長にお付き合いください! (2019年3月24日 21時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ - この作品好きです。更新頑張って下さい。 (2019年3月23日 1時) (レス) id: 356d08c55f (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ルインさん» コメント、ありがとうございます!嬉しい限りです!これからも気長に読んでください! (2018年7月19日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:CrazyBook | 作成日時:2018年3月28日 22時