寒暖差 ページ36
月が昇りきり、辺りが闇に呑み込まれる頃、
レイラはうっすらと目を開けた。
砂嵐も幾分かおさまり、竜巻も過ぎ去ってもそこは相変わらず砂漠。
痛む体をゆっくりと起こし、まずは卵とパートナーの安否を確認する。
一通り確認を終えた彼女は温くなったサイコソーダをガラガラになった喉に流し込んだ。
暑い昼間とは裏腹に、夜の砂漠は体の芯から冷えるような風が吹き付ける。
「寒い……」
そんな中でずっと気を失っていたレイラは、当然のように体が冷えきっている。
そんな体をのそりと動かし、少なくとも休める所を求めて再び歩を進めていく。
が、
十数分歩いたところで息があがってきた。
おまけに風とはまた別物の不快な寒気がレイラを包む。
極めつけはズキズキと痛み、熱を纏った頭だ。
「こんな……時に……!」
そう毒付く彼女だが、休むことなく炎天下を歩いた上に急に冷えた体では体調を崩すのも無理はない。
霞む視界と、ぼやける頭を懸命に働かせてどうにか前へと進んでいく。
しかし、
崩れるようにレイラの足が仕事を放棄した。
卵を庇うようにしてその場に倒れ込んだ彼女の瞳が徐々に閉じられていく。
ー次……目は覚ませるのか……?
諦め半分、不安半分でレイラは意識の綱から手を離した。
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CrazyBook(プロフ) - コメントありがとうございます!本当に気長にお待ちください。 (2019年8月12日 9時) (レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - この作品好きです!ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2019年7月18日 16時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - かしわさん» コメントありがとうございます!完結するまで更新し続けますので気長にお付き合いください! (2019年3月24日 21時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ - この作品好きです。更新頑張って下さい。 (2019年3月23日 1時) (レス) id: 356d08c55f (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ルインさん» コメント、ありがとうございます!嬉しい限りです!これからも気長に読んでください! (2018年7月19日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:CrazyBook | 作成日時:2018年3月28日 22時