君が僕の希望だから

0：古の伝説 ▼ ページ1

ーー昔、昔のお話です。


ここは、いきものが生きることを許されない土地でした。
泉は枯れ果て、草木も死に絶え、乾いた風ばかりが吹く土地でした。


そこへ、一人の旅人とポケモンが辿り着きました。
すでに体力も尽き、傷だらけだった彼らは、死の大地に倒れ伏しました。

旅人は最期の力を振り絞り、最後の一つである木の実をポケモンに差し出しました。

おまえだけでも、どうかいきてくれ

しかし、ポケモンはそれを拒みました。
大切な人間を置いて、一人で生きることは望まない。旅人が死ぬならば、自分も共に眠ることが、ポケモンの願いでした。

二人の命の灯火が、正に消えようとしたときでした。

厚い雲が割れ、暖かな光が降り注いだのです。
そして、その光と共に、天の使いが舞い降りてきました。

青と赤の翼を持った使い達は、彼らの絆に深く心打たれました。
彼らを憐れんだ使い達は、その力で彼らを救うことにしたのです。

使い達の祈りにより、泉には清らかな水が溢れ、木々は生い茂り、草花が涼やかな風にそよぎ始めました。
死の大地は命を吹き込まれ、生まれ変わったのです。

泉の水とたわわになった木の実を食べた二人は、生きる力を取り戻しました。
美しく空を駆ける使い達を見て、彼らは深く感謝しました。

使い達は頭を垂れた旅人とポケモンの元へ降り立つと、彼らに美しい宝玉を授けました。

汝らの絆が、永遠にあらんことを

そして、彼らは姿を消しました。


天の使い達から授かった宝玉を、二人は祀ることにしました。
彼らはその土地に暮らし、使い達の贈り物を護り続けることにしたのです。




ーー人間とポケモンの絆に慈悲をもたらした使い達への感謝は、彼らが歌っていた旋律と共に今でも語り継がれています。

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