6ー回想※ ページ6
➖回想➖
岩手の冬は厳しい。
もう三月だって言うのに、まだまだ風は冷たかった。
でもここでずっと寝て待っていたら、家族が気付かないかもしれない。
そう思った10歳のAは知らない学校の体育館の前で痛いのを無視して待っていた。
来なかった。
みんな怪我しているのかも知れない。
怖くて震えていた。
夜は一緒に避難している人々の呻き声がお化けみたいで怖い。
今日も誰かが死んだ。
汚い水を飲みすぎたからだって。
ここでも遠くでもたくさんの人が死んだって。
もしかしたら…家族は、兄ちゃんは…
そう思ったら涙が止まらなかった。
11歳の誕生日もここで1人で過ごした。
こうして1ヶ月が経ち、人の心を知らない桜が堂々と群れ咲き誇った。
まだ誰にも会えていない。
2か月が経ちAの怪我は治ってきてた。
だんだん人々が復興を目指して前を向うとしている中、Aはずっと自分を責めていた。
言うことを聞けばよかった。どうしてこんな事に…
この2か月、泣かない日なんて無いくらい。
Aは怖くて、辛くて、悲しくて、寂しくて、たまらなかった。
415人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Haul(プロフ) - すみません。初なので仕組みがよく分かっていません…また都度教えてください!ありがとうございます (2023年3月29日 12時) (レス) id: a905d1632b (このIDを非表示/違反報告)
莉詩奈(プロフ) - 失礼します。オ.リ.フ.ラ立っちゃってますよ!更新頑張ってください! (2023年3月29日 11時) (レス) id: 40cb652138 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Haul | 作成日時:2023年3月27日 23時