Story.44 ページ47
十三番隊の隊舎の前に立って深く深呼吸をする。
...そういえば、海燕さんに初めて会ったのはここだった。いきなり殴られてびっくりしたんだっけな。
そう思うとひどく懐かしく思えたその場所こそが今の私の居場所であった。
隊舎の中に入ると隊員達のその明るさに驚いた。
都さんに海燕さんと大切な人を亡くした後だからこそ、皆明るく振舞っているのだとわかった。
...心配かけたくないからだろう。どこかで見ているかもしれない彼らに。
「あっ!Aちゃん!!」
「何日も来ないから心配したぞ!!」
「...清音、仙太郎」
そう叫んだ清音と仙太郎の声に真っ先に反応したのは浮竹隊長で。
「A!来てくれたのか!!」
「...浮竹隊長、私も十三番隊です。そりゃ来ますよ」
「いや、色々押し付けようとした形になってしまったから俺のことを嫌いになってもう隊舎に来てくれなかったらどうしようかと...!!」
「...ははっ、何ですかそれ」
...こんなに温かい隊を護る立場に立つことに、なんの迷いがいるのだろうか。
確かな覚悟を持って言葉を紡ごう。
「浮竹隊長、...私、やります。
海燕さんから託されましたから。」
「...!そうか!やってくれるか!!
それじゃあ、これを渡さないとな」
何をとも言わなくても通じた言葉。
そう言って浮竹隊長が私に手渡したのは、待雪草の描かれた副官章。
震える手でそれを受け取ると、ずっしりとその重みが手に染みた。
意を決して私は副官章の帯をしっかりと腰に結びつける。
それを見届けて、浮竹隊長は笑顔を浮かべた。
「それじゃあ、改めてよろしくな。宮本A副隊長」
「こちらこそよろしくお願いします、浮竹隊長」
差し出された手を握れば思いのほか強く握り返されて。
その手の温かさが妙に心地よかった。
□十三番隊隊花:待雪草(まつゆきそう)□
特色(花言葉):希望
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明里香(プロフ) - 35話、関わりんときじゃなくて、関わらんときです。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 34話、浮竹隊じゃなくて、十三番隊です。個人名で隊の名前を呼んだりしません。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 27話、予告道理じゃなくて、予告通りです。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 1話、頬ずえじゃなくて、頬杖です。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - 煉海さん» ...イヅルは...毒舌ですよ?(願望)イヅルに罵られてみたいなぁ... (2018年1月16日 20時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:近藤。 | 作成日時:2017年2月26日 11時