Story.43 ページ46
フラフラと瀞霊廷へと戻った後のことはほとんど記憶にない。
普段は十三番隊隊舎で寝泊まりをしている為か、久しぶりに戻った私の家の床は埃被っていた。
布団を頭から被り、何も考えず食べず眠りつづけていれば、気付くと3日経っていて。
風呂に入ろうと洗面所に向かうと、ふと鏡に映った自分の顔が酷くやつれていて驚いた。
そんな折、私の家の戸を叩く音がしたのでドアを開ければ
「...浮竹隊長」
薄い笑顔を浮かべながら立っていたのは隊長で。
「話したいことがある。...上がってもいいかい?」
そう言うと私の返事も待たずに、私の家に上がり込んだ。
棚の奥から引っ張り出した座布団を畳張りの床の上に置けば、そこへ座りながらポツリポツリと話し始めた隊長の顔もやはり曇っていて。
海燕さんの思い出話でもしに来たものなら追い返すつもりだった。
そんな余裕が今の私に無かったからだ。
けれど
「...君に副隊長になって欲しい」
「...は?」
そんな思いがけないその言葉に思わず俯いていた顔を上げた。
「...何言ってるんですか。私より適役が沢山いるでしょ。」
...それに何より、私山本の爺さんからの信用が無いみたいですし許されませんよ、そんなこと。
「海燕の後だ。任せられるのは君しかないと思っている」
「...だからこそですよ。海燕さんの手前いい顔してましたけど、私に隊をまとめられる能力はないです。」
「まぁゆっくり考えてくれ」
「...人の話を聞いてくださいよ」
「君がどうしても嫌だと言うなら仕方ないけどね、君以上の適任はいないと思っている。
...君が嫌だと言うなら十三番隊には暫く副隊長を置く気は無いよ」
「...ちょっと、待ってくださいよ浮竹隊長!!」
一方的に話したいことを話して満足したらしい隊長は腰を上げ帰っていった。
本当に浮竹隊長然り海燕さん然り自分勝手な人ばかりで困る。
ルキアはどうしているのだろうか。
心配事が積み重なったが、あの時責任から逃げた自分が情けなくて、この3日間隊舎にも顔を出さなかった。
副隊長なんて私には荷が重すぎる?
...違う。
隊員の命を背負う場所に立つことが怖くて逃げてるだけだ。
また逃げるのか。
“任せたぞ”
そうだ、私は海燕さんに託された。
逃げるな。
自分にそう言い聞かせて。
久しぶりに死覇装に袖を通した。
気づけば私は斬魄刀をしっかりと腰にさして、隊舎の方へと駆け出していた。
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明里香(プロフ) - 35話、関わりんときじゃなくて、関わらんときです。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 34話、浮竹隊じゃなくて、十三番隊です。個人名で隊の名前を呼んだりしません。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 27話、予告道理じゃなくて、予告通りです。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 1話、頬ずえじゃなくて、頬杖です。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - 煉海さん» ...イヅルは...毒舌ですよ?(願望)イヅルに罵られてみたいなぁ... (2018年1月16日 20時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:近藤。 | 作成日時:2017年2月26日 11時