Story.23 ページ25
...始まりはほんの些細なことだった。
「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ
破道の三十三 蒼火墜!!」
学校という集団に所属している以上、テストというものはつきまとってくるものである。
それは学校で破道の訓練の真っ最中。
霊術院にいる間に、五十番台まで使えれば上々。この日は破道のテストであり、どの程度まで破道が使えるのかを死神に見てもらうのだ。
私はもう既に、浦原さんに叩き込まれ四十番台後半まで習得していたのだが、確実に成功できる...というラインは三十三番であった。
そのため三十三番を選んだのだが...
不発した。
いつもならまず間違いなく真っ直ぐに飛んでいく火の玉は現れず、少しの火花とともに、
ぽすっ
そんな小さな音を立てて宙に消えていった。
「えっ...」
私は不思議でたまらず、暫く呆然としていたのだが、はっと我にかえり、
「すいません!!もう1度お願いします!!」
そう言い再び見せようと詠唱すると、炎の玉は当たり前かのように的のど真ん中をぶち抜いた。
他にも剣の真っ最中に急にほんの一瞬、相手の機会を察知出来なくなったり、白打の訓練の最中に霊力がコントロール出来なくなったりと、細かなミスを連発。
ただの不調だ。そのうち戻る。
最初はそんなことを考えていたが、それは1週間、2週間と経っても全く治らなかった。
そのうちその不調は悪化し始め、浦原さんにも夜一さんにも心配される始末に。
精神的にも肉体的にも限界を迎えようとしていたある日の夢の中、
誰かに微かに名前を呼ばれた...気がした。
気のせいである、そう思っていたが
しかし、それは日を増すほどに何度も鮮明にハッキリと。
何度も何度も名前を呼ばれ、それでも誰に呼ばれているのか、どうして私なのか分からない。
『...A、聞こえてんだろ?俺が誰かまだ分かんねーのか』
『分かんないって言ってるでしょ、いい加減名乗りなさいよ。つーかお前、自分の名前教えもせずに人のこと呼び捨てとか常識わきまえろよ。』
『ちっ...だから何度も言ってんだろ俺の名は...』
...こんな感じで会話はできても名前の部分だけ一向に聞くことが出来ない。
おまけに誰かの声が聞こえる...なんて厨二臭い相談を誰かに出来るはずもなく。
不調続きの中迎えたのは現世での初めての実習である。
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明里香(プロフ) - 35話、関わりんときじゃなくて、関わらんときです。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 34話、浮竹隊じゃなくて、十三番隊です。個人名で隊の名前を呼んだりしません。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 27話、予告道理じゃなくて、予告通りです。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 1話、頬ずえじゃなくて、頬杖です。 (7月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - 煉海さん» ...イヅルは...毒舌ですよ?(願望)イヅルに罵られてみたいなぁ... (2018年1月16日 20時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:近藤。 | 作成日時:2017年2月26日 11時