Story.20 ページ21
冷静に考えて、アイビスであの威力はやばすぎる。
ライトニングなんて使われた日には、目視してからじゃあもう避けられない。
……先にスナイパーを狩っとくか。
私は先程スナイパーが居た建物に向かって走り出す。
そうしてその付近を見回し、スナイパーが移動しそうな建物に目星をつけた。
「
アステロイドを合成すると、弾を細めに分割し、弾道を引く。付近のスナイパーが居そうな建物の最上階と屋上へだ。
そして間髪開けずに全ての弾を放った。
爆音と瓦礫の崩れる音でとんでもなく目立った直後、空を切る感覚。
本能のままそれを交わして、スコーピオンを突き出す。
「遊真、遅かったじゃない。待ちくたびれたわよ」
「悪いね先輩」
「あれ、オサムは?一緒じゃないの?」
そう言った瞬間に、足に鈍い感覚。見ると右足が少し削られている。
斜め下を見ると、建物の影に若干隠れたところでオサムがアステロイドを構えている。
視界の端にオサムが入った瞬間、私はアステロイドを展開し、その近辺の地面に雨を降らせながらスコーピオンを構えて突っ込む。
遊真をまるきり無視した急な私の行動に、遊真の行動も一瞬遅れた。
「ダメじゃない、どうせ奇襲で撃つなら致命傷与えなきゃ」
「くっ……」
片手片足をアステロイドで削られたシールドモードのオサムのレイガストと、私のスコーピオンの刃先がぶつかり鈍い音を立てた。
サイドエフェクトを使えばシールドごとオサムの首をスパッと切れそうなものだが、我慢である。
視界の端にいる遊真が、アステロイドの合間を縫ってスコーピオンの刃を投げるのが見えた。
あいにくシールドをセットに入れていないことを思い出し、仕方が無いので左腕で受け止める。
シューッとトリオンが漏れ出す音がするが、経験則片手を怪我したぐらいではトリオン切れにはならない。
「ふふ、いいチームになりそうね」
私はそれだけ言うと、アステロイドで2人を牽制しながらイーグレットに持ちかえる。
その後、2人の意識が向いている方角に大きく飛ぶと、その方向にあるビルにスコープの焦点を当てた。
見つけた。
そのまま引き金を引くと手応え。程なくしてドンッという音と光が見える。
「スナイパーに気を取られすぎよあんた達」
そのまま空中で身体をひねりイーグレットを構え、オサムの片足を撃ち抜く。
その体制から真横に迫った壁を蹴って、遊真の首元へ斬りかかった。
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近藤。(プロフ) - 甲賀忍者さん» コメントありがとうございます。根が優しいけどひねくれ者を書きたかったので伝わっているようで何よりです!ヒュースの面倒も迅から押し付けられる予定なので……。楽しみにしておいて下さい! (2022年7月1日 22時) (レス) @page23 id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 失礼します。作品読ませていただきました。主ちゃんの指揮、指導、後輩達への厳しい中にある優しさに虜になりました。正に一騎当千 目上の人にもズバズバ言う所が好きです。彼女にヒュースが誰よりも懐くとSEが言っている…上層部も上級隊員も私も主大好きす! (2022年6月28日 4時) (レス) id: 75f75dc2eb (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - 竜胆さん» コメントありがとうございます!難しい所ですね。でも迅も大人だったらさらっと流してると思うんですよね、暴言。結局、大人として戦ってる主も迅も大人になりきれてないのだと思います。お互い様ですね笑 そんな中、皆が支え合って助け合える世界であれと願っています (2022年3月28日 15時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ゆうさん» 返信遅くなりすみません、コメントありがとうございます!私生活が多忙でなかなか更新できませんが、できる限りでがんばりますね!! (2022年3月28日 15時) (レス) @page16 id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - しょうがないんじゃないかなと感じてしまいました。避難するわけではないですけど、迅も迅で夢主のことをもう少し考えてやれば良いのにと思ってしまいました。大人って難しいですね。長々とすみません。これからも頑張ってください。 (2022年3月27日 11時) (レス) id: b5d562abb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:近藤。 | 作成日時:2021年7月12日 17時