Story.3 ページ4
私がギンに刀を突きつけたまま訪れた沈黙。
ギンの目をまっすぐ見ていれば、彼の瞳が揺れた。
「おい、宮本。ソイツをどうする……」
「黒崎、黙ってて。」
黒崎からすればギンは敵なのだろうが、私にとっては違う。
この血なまぐさい道にギンを引き入れて、藍染に対しての仇討をさせそうとした。
今の状況の中にギンがいるのは全部私のせいだ。
だから、私のことを真っ直ぐ見てくれないギンが怖い。
……このまま、死ぬつもりなのではないかって。
「ええの？こんな所でボーッとしてて。
浦原隊長も夜一隊長も藍染隊長と戦ってはるんやろ？
……死ぬで、2人とも。
ボクのことなんて相手にしてる暇ないやろ、アンタ。」
なぜか、ギンはさっきから私に脅しのような言葉ばかりを使う。表情は伺えても心の真意までは分からない。
それでも、なんでそんなに悲しそうな目をするのだろうか。
その目が、表情が、都さんの仇討をしに行ったあの日の海燕さんと被って見えた時、どうしようもなく心が冷えた。
「……確かに、浦原さんのことも夜一さんのことも心配だよ。
でも今私が一番心配してんのはアンタのことだよ、ギン。
藍染の下にアンタを入れたのも私だし、仇討させようとしたのも私。
責任感じてんだよ、こっちも。藍染の怖さは私だってよく分かってる。このまま藍染を放っておくわけにもいかないこともよく分かってる。
でもね、自分が死んでしまうような無茶な真似は絶対やめて。
アンタの鉄仮面は私には通用しないんだよ。
私は藍染からアンタを護れる自信がない。
……私はもう大切な人を失いたくないんだ。」
するとギンは1度目を閉じ、私の頬に手を添えた。
びっくりして目を見開くと、見たこともないほど優しい笑顔で笑う。
「護る……か。ほんまアンタは昔から優しいところも変わってないなぁ。
でもな、ボクはもうアンタに護ってもらうほど弱くはないよ、A。
次はボクがアンタを護る番や。だから少し……眠っててな。」
「……え」
ギンの言葉に気を取られて私の意識が緩んだ一瞬で刀を振り払われた。
そうして、頬に置いていた手が首元に下ろされたかと思うと身体に霊圧が流れ込んでくる。
……それは、私が修行をつけていた時とは違う、紛れもない隊長格の霊圧。
私の意志とは関係なく意識が薄れていく。
「……お願い、行かないで」
その頼みはギンには届かなかった。
最後に私に笑いかけた彼の笑顔が、海燕さんと重なって見えた。
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優雨-ゆうあめ-(プロフ) - うえぇ？！！千年血戦篇書いていただけるんですか…！！いや、いやもう、嬉しすぎる！！ありがとうございます！！ (2022年10月30日 18時) (
レス) @page15 id: 12d19b95d0 (このIDを非表示/違反報告)
いちご牛乳二世(プロフ) - 凄く…良かったです！SS等も気長に待っています！ (2021年12月8日 21時) (レス) @page14 id: 7192c58253 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 今頃になって出会ってしまった事が悔しくてなりません…完結本当におめでとうございます！！ぜひ転生後ストーリーも読みたい…！どうか、近藤。さんの気が向いて書きたいなと思える日が来たらと願っております。他作品の更新も応援してます！！大好きです！！！ (2020年10月24日 10時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - 夢主の生まれ変わった男版ストーリーもめちゃめちゃ読みたいと思ってしまいました。久々に読み返してみたら、やっぱり惹き込まれる作品で楽しい時間でした。m(*_ _)m (2020年8月2日 12時) (レス) id: 5e2c87c2fd (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ゆりさん» 本っ当に返信が遅くなってすみませんでした、読んで頂いてありがとうございます！私も宮本が大好きなので好きになっていただけたなら嬉しい！他作品の方も更新は遅いですが見ていただけるなら幸いです！！ (2019年4月24日 23時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2018年8月21日 10時
