君の心を奪いたい。【あんスタ】

give me your hart! ページ7

その誘いは突然だった。


たまたまレスティングルームに居合わせた真緒くんと色々話していたその場に、突然英智くんから私たちに声がかかったのだ。






｢真緒、A。これから時間あるかい？｣








あの質問を受けて素直に私たちが頷いてからどれくらい経ったのだろう。







ES内のショッピングモールにてお買い物をしたいという英智くんのお願いにより、私と真緒くんが付き添いで来ていた。









｢ごめんね、あんまり慣れてないから誰かと一緒に来たかったんだ｣


｢え、逆に俺らで良かったんすか？お付の方とか…｣


｢私とかたまたまその場にいただけの人なんだけど｣


｢ううん、むしろ2人が一緒に来てくれて良かったよ。僕いま凄く楽しいよ｣









良かったとこっそり胸を撫で下ろす。





何を隠そう、英智くんは世に名をとどろかせる大財閥。





彼の言った通り、こういった庶民の場所に慣れていないだろうと言うことで、急遽真緒くんと打ち合わせして私たちができる最大のサービスをした、つもりだ。




英智くんの欲しがっていた物は買えたし、ミッションコンプリートと言えよう。






ちらりと横を見ると、真緒くんもホッとしたような顔をしていた。









｢ふふ、楽しくなってきちゃったな

そうだ、僕他にもしたいことがあるんだ｣


｢したいこと…？欲しいものじゃなくて？｣









うん、とにこやかに笑う英智くんに、真緒くんと揃って首を傾げる。





ちなみに私たちが今いるのはフードコート。アイスを買って一息ついている所である。



嬉しそうにアイスを食す英智くんの横には既に大量の買い物袋があるんだけど…まだ買うの？？ただでさえ一つ一つが高いのに…と一瞬心配したが彼は財閥のお坊ちゃまだった。忘れてたよ。









｢僕、『お揃いコーデ』っていうのをやってみたいんだ

この前、渉が五奇人でそれをやってプリクラを撮ってたらしくて…見せてもらったんだけど、それがすごく楽しそうだったんだ｣


｢何してんのあの五人｣


｢ほら、これだよ｣


｢うわ、ほんとだマジでやってる…｣









これ、と言って英智くんが見せたスマホの画面には確かにお揃いの服を着た五奇人が。まともな写真もあれば変顔もしていて中々にカオスな代物である。





てかなんでこれ英智くんが持ってるの？？？

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す