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「ねえ、A…僕もう、子供なんかじゃないんだよ」
「そりゃそうでしょ、今その姿は大人の__」
「じゃあ、この姿じゃなくなったらまた僕のこと子供扱いするの?弟みたいに、可愛がるの?」
じり、と彼女に迫る。それに伴って、彼女が後ろずさる。
「こ、子供扱いなんかじゃ、」
「してるよ、子供扱い。
いつも炭治郎に同い年なのに年下扱いするなとか言ってるけど、Aも人のこと言えなくない?
僕も、Aと一緒で1つ歳が下なだけで子供扱いされるのは嫌」
じりじり、と後ろに下がっていくA。とうとう彼女を壁際まで追い詰めた僕は、壁に手をついて彼女が逃げられないように閉じ込める。
真っ赤に顔を染める彼女は初々しい。なかなかにそそる表情をするものだ。
どきどきと自分の心臓が高鳴っている。
Aは床に腰を下ろして、僕は膝立ちで向かい合っているからか、余計に彼女が小さく見える。小動物を思わせるような可愛らしさに、胸が鷲掴みされる感覚に襲われた。
「…ねぇ、」
「ひ、ちょ…っ、耳もとで喋らないでよ、」
「弱いんだ、へぇ…」
びくりとAが身体を震わせる。
ぞく、と欲が掻き立てられる感覚に、Aの色気に、ぐらりと酔いが回るような感覚に襲われる。
もうこのままその唇を奪ってしまおうか。
片手で彼女の顎を掬い、もう片方の手を優しく頬に添える。ゆっくり近づいて行く僕の顔に、彼女の目が動揺で揺れた。
あと少しで彼女と僕の唇が重なる___直前だった。
「ッ!!」
どくん、と嫌な音が身体中に響く。突然激しくなった動悸、乱れ始める呼吸、遅い来る目眩。
___薬の、副作用?
滅多にない、なんて言ってたのに、僕はそれに当たってしまったのか?
ぐらりと傾く視界を最後に、僕の意識は完全に落ちた。
.
「あ、起きた」
「……ぁ、」
大丈夫?と覗き込むAと、天井が視界に映る。
小さく出た声は既に元の14歳の自分の声に戻っていて、がっくりと肩を落とす。
「私めちゃめちゃびっくりしたんだからね!!?
急に心臓抑えて倒れたと思ったら、呼びかけても応答しないわ意識は失ってるわ、体が縮み始めるわで…!!てんやわんやだったんだから!!
びっくりした!!ほんとに!!なんならビックリして腰抜けた!!」
「そんな弱っちぃ奴みたいな…」
「言うねぇ君!元はと言えば元凶は君だよ無一郎!」
「!」
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Nami - 冨岡さんに嫉妬する他の鬼滅メンバー面白かったです♪冨岡さん好きだぁぁ♥ (2022年11月4日 11時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
もろん - 最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です(言い過ぎてごめんなさい) (2021年6月11日 17時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - ひかりさん» 夢主ちゃん…君少し贅沢過ぎては…羨ましい!!! あんな素敵な声で囁かれたら気絶しちゃいますよ!? あぁ……好き… (2020年4月4日 1時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - マロさん» 無惨と結婚したらあのいい声で囁かれていい顔を毎日拝めるんですよね……至高の幸せですよね………… (2020年4月4日 0時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - 無惨と結婚!? やだ…切実にお願いしたいです……無惨の笑みとか絶対素敵じゃないですか… (2020年4月2日 23時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年3月28日 10時