未来の旦那見つけようと思うんだよね【ツイステ】

候補29人目 ページ29

｢い、いやごめん拙者なんかが出しゃばっていい所じゃないよねマジごめんこんなクソキモ陰キャからそんな提案されたって困るだけだよね分かってる、分かってるよウン｣



｢(やべえ早口過ぎて何言ってるか分からんけど適当に返事しとくか)

そんな有難い提案して頂いていいんです？視野に入れちゃいますよ先輩のこと｣


｢ウンウンそうだよね拙者なんか………ハ？｣


｢私にとって生死を分ける選択肢ですからね。

今のところ好きな人がいる訳でもないし、その提案に乗れるのならば乗りたいところではあります｣






……こ、れは、







｢後悔しません？私を選んでも｣







…………キタコレ…………！！！！


全身が震えるような喜びとはこのことを言うのか！




｢ああでも、よく考え直してくださいね。

私は異世界人ですし、戸籍もお金もないんですよ。それに帰り道が見つかり次第帰るつもりではいるんです

……といっても卒業までに帰れなければ諦めますけどね、さすがに｣







確かに、三年経っても見つからなければ望み薄というわけだ。それなら別に構わない。手を回せばいくらだって誤魔化せる。




さぁ、言質を。僕にすると、生涯僕と共にあるという誓いをこの僕に！






｢先輩好きな人いないんです？好きでもない奴となんて結婚したらきついですよ｣


｢別に、それくらい気にしない。問題ないし

ああそうだ、A氏は柘榴好き？｣


｢柘榴ォ？食べたことないんでちょっと分かんないですね｣







＿＿＿ペルセポネに恋したハデスは彼女を冥界へと攫い、彼女に食べさせた柘榴でやむを得ず彼女はハデスの王妃として鎮座した。



僕の国では柘榴はかなり重要なもの。婚前の儀式なんかでは使わないことの方が無いくらいだ。

実質、食べてしまえばA氏が何と言おうと僕のお嫁さんになるわけだ。




ねぇ、僕のペルセポネ。








｢食べてみない？｣


｢ええ〜見た目とかあんまり好きじゃないんですよ

それにお腹も空いてないし……またの機会でもいいですか？お気持ちだけ受け取りますね｣


｢………フヒヒ、気にしないで。また今度、ね｣






お気持ちだけ受け取りますね、だって。

自分が何されそうになってたのか分かってもないくせに。





嗚呼、無知とは愚かで可愛いものだ。

＿＿＿＿＿＿＿＿


設定捏造注意です(遅い)

イグニハイドは『ヘラクレス』が題材だと聞きましたが私は見たことないのでギリシャ神話を元に書きました。

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