候補27人目 ページ27
「____…ってことがあって。なんかすんげぇファンサの嵐なんですよね〜」
時計の針ももうてっぺんを超えてからかなり時間が経つ。
深夜テンションになってきたのか、A氏の口がよく回るようになった。
カチャカチャとコントローラーを動かす音だけが木霊する。
時たま悔しそうにA氏が声を上げるのみで、集中しすぎて会話などなかった数時間前とは大違いである。
「フヒ、まるで乙女ゲーですな」
「なんて?」
「A氏は異世界から来たオンナノコってだけでもそれっぽいのに完全にこりゃもう乙女ゲーですわ、イベント発生連発してて草」
「人の気も知らないで……
どうせみんなからかってるだけなんですよ
お前が俺を?ほ〜〜〜〜ん??笑わせんなよ、って感じですよきっと」
私には分かります、とキリッとした顔で言うA氏に目眩がした。
まるでなんにも分かってないじゃないか。
彼女は自分がどれほどの価値があるのかまるで気づいていない、故に皆からの好意に気付く素振りもない。
今だってそうだ、僕のことを旦那候補だのなんだの言っておいてこれである。
今夜はもう自分の寮に帰る気は無いみたいで、僕のベッドに潜り込んでそこからゲームしているくらいだ。
男のベッドに易々と上がるものでは無いというのに。
旦那として考えるというのなら、それなりに警戒心というかなんというか、意識して欲しい。
「やばくないですか?クルーウェル先生の手にかかれば私Ladyになれるんですよ」
「発音良〜〜〜」
なんでクルーウェル先生の話が出てくるんだ。昼は先生なんて話にすら上がってなかったのに。
イライラは募っていくばかり。心做しかコントローラーを握る力が強くなった。
イライラする気持ちに任せて対戦相手のA氏を全力で攻撃する。
あー!というA氏の声と共に、画面には決着が着いたことを示す画面が表示された。
「先輩強すぎません?手加減してくださいよ〜〜〜このゲームまだ3回しかやったことないのに!」
あー疲れた!
ぼふんと音を立ててA氏が布団に倒れ込んだ。僕の布団に。よかった念の為干しといて。きっとフワフワなはずだ。
……え?なに?太陽の匂いするって?
可愛いこと言うなよ(何がとは言わないが)君で卒業してもいいんだぞ(ご乱心)
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FLOWER(プロフ) - こちらの神作、n周回目なのですが(???)本当に飽きないんです好きです…続編、全裸待機で待っております!頑張ってください!! (8月11日 14時) (レス) @page38 id: 87ff2022c1 (このIDを非表示/違反報告)
だんご - とっても面白かったです(o^^o)続編楽しみにしてます! (2023年4月10日 1時) (レス) @page38 id: 682f1d07da (このIDを非表示/違反報告)
たい焼きティー(プロフ) - 最高すぎて、、、、(/-\*)続編楽しみです!!!!! (2023年4月9日 5時) (レス) id: bb745024cc (このIDを非表示/違反報告)
うさマロ(プロフ) - ものすごく続きが気になります!!続編楽しみしてます!! (2023年3月20日 20時) (レス) @page38 id: 9e17f78ec0 (このIDを非表示/違反報告)
爆発(プロフ) - こんなに面白い作品久しぶりに見つけました!すごいにやけながら見てしまいました!続編とても楽しみです!頑張ってください! (2023年2月26日 2時) (レス) @page38 id: c0924be3a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2021年3月27日 16時