look at me！ ページ42
｢姫！｣
｢おおっとその声と呼び方は神崎颯馬くんかな！！｣
明るい笑顔を浮かべて、廊下の向こう側から駆け寄ってきたのは紅月の神崎颯馬くん。
彼もまた、私のことを『先生』と呼ばないうちの1人である。
真面目な彼は出会ってまもない頃はちゃんと先生と呼んでくれていたのだが、いつの間にか『姫』と呼ぶようになっていた。なんだ姫って。
そんな颯馬くんに影響されてか、最近は忍くんまで私のことを姫と呼び出す始末。なにもう恥ずかしすぎる。
いくら注意しても変える気がないらしい颯馬くんに私ももうあきらめた。もういいよ何とでも呼べよ…
｢何か用だった？｣
｢うむ、クラスの課題を提出しに来た｣
｢え、ほんと？ごめんね颯馬くん係じゃなかったでしょ｣
｢忙しそうだったのでな、我が引き受けたのである｣
ふふん、と胸を張ってそう告げる颯馬くんは何だか可愛い。
以前陣さんに『颯馬くん可愛くない？？』と言った時は何だこいつみたいな顔をされたけど。
なんて言うんだろう、ふとした時にのぞく子供らしさが可愛らしいのだ。
彼からプリントの束を受け取る。
ちゃんと全員分あるかを確認して、私は顔を上げた。
｢ちゃんと全部あるね、OKもう戻っていいよ｣
｢…｣
｢颯馬くん？｣
何を思ったか、颯馬くんは私の手を包み込むように握る。
数回深呼吸した後、覚悟を決めたようにばっと顔を上げた。その顔は幾分か赤いような気がする。耳なんて真っ赤だ。
｢姫、その…えっと｣
｢うん、ゆっくりでいいよ、大丈夫｣
｢…っ、今日の放課後、姫の都合が合えば我にれっすんをつけていただきたい！｣
思いの外彼の声は大きく、廊下を行き交う人の視線を少しだけ感じる。どうやらそれを感じているのは彼も同じらしい、真っ赤な顔を俯かせてしまった。
あ〜、こういうウブな感じというか、なんというか…きりっとした見た目に反した彼のこの一面を私は密かに好いている。癒されるのだ、なんとなく。
ちらりと前髪の下から目を覗かせて｢駄目であるか？｣と控えめに問う颯馬くんの頭を軽くなでる。
断るなんてこと、するはずがないのになぁ。
｢いいよ、君が心ゆくまで付き合ってしんぜよう｣
｢〜っ、ありがたき幸せ！！｣
｢めっちゃ武士｣
頭を勢いよく下げた反動でバサッと暴れた髪の毛が私の顔を掠めたが、それすらも可愛らしさを感じ笑ってしまう私は多分疲れてる。今日は早く寝よう。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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ひかり(プロフ) - 月兎さん» 承知しました！お話に入りきらなくて続編での更新になる可能性が高いですが是非読んでくださいね！ (2020年3月26日 15時) (
レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - リクエストします。羽風先輩VS神崎くん と 神崎くんと時代劇の撮影と伏見くんVS茨くんをリクエストします。更新頑張ってくださいね。 (2020年3月26日 14時) (レス) id: fdb5669a18 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです…！リクエスト、応えられるよう頑張ります！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - リクエストよろしいですか？「ライハ組とりっつが、ひっそりと夢主の好きな所を話し合ってる」みたいなのが見てみたいです！毎回面白くてにやけながら読ませてもらってます！これからも頑張ってください！ (2020年3月22日 23時) (レス) id: 456648e3b3 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - リクエストに答えて下さりありがとうございます！！凛月くんの方も楽しみにしていますね！！ (2020年3月19日 17時) (レス) id: bd5bbfc6ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいす
| 作成日時：2020年2月12日 22時
