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「人探し?」
新八の返答に土方は眉根を寄せた。
「意外とまともな仕事だった。
依頼主は地球人か?」
「トッシーバカにするのも大概にするネ。」
「バカにしてねえよ。」
「アテがないんです。なんか知りませんか?」
「教えろよー土方くーん。」
珍しくあまり突っかかってこない銀時が、土方にとって奇妙なことこの上なかった。
「アテがねえんなら俺に聞くな。」
紫煙を吐きつつ言った。
「写真がこのちっこい頃しかねえんだと。」
銀時は土方に清子から借りた家族写真を見せた。
「…知らねえな。こんなガキなんかどこにでもいるし、ましてや色あせた写真となりゃ、どうなっててもおかしくはねえだろ。」
「やっぱりそうですよね…。」
新八はがくんと肩を落とした。
「そいつがもしかして、太ってるかもしれねえし、整形してるかもしれねえ。しかも生きてるかも怪しい。」
可能性なんかあげたらそれこそキリがねぇ。
そう足すと銀時は答えた。
「ふーん。じゃあ性別変わっててもおかしくはないのか。」
銀時は顎を撫でながら言った。
「そりゃ希少価値もいいとこだろ。」
「ますますわかんなくなってきたアル!!」
「まあいいや。イライラ抑えて聞いた俺が馬鹿だったわ。
じゃあせいぜいのびてろよ税金泥棒。」
「ぶっ殺すぞ!!覚えてやがれ!」
・・・
「ちょっと土方さーん。通行の邪魔でィ。」
「総悟か。…わりいな。」
今度は沖田が通りかかった。
「そうでさァ、さァもっと謝りなせェ。
床に頭がつくくらいめいっぱい頭を下げなせェ。」
土方は沖田のその言葉にため息をついて返した。
「まじでこのタイミングでのドS発動に困惑してるから辞めろ。」
「チェ、冗談じゃねえのに。
こんなところで何してるんですかィ、土方さん。」
「タバコ吸ったんだよ、見えねえのか。」
「あー、有害物質撒き散らしてるんですねィ。
そうだ。ちょっくら聞きたいことがありやして。」
「有害物質撒き散らしてるって…ハッ倒すぞ!!」
「まあまあ。そんなことより聞きたいことが。」
「聞きてえことってなんだよ。」
「財部正善って知ってますかィ。」
「タカラベショウゼン?」
「攘夷グループの幹部でさァ。目撃者がココ最近多発してやして。」
「あぶねえなそりゃ。」
「事が起きる前に処理しときたいんでさァ。
こいつの顔みたら、連絡くだせえ。」
沖田はそう言うと、欠伸をしながら去っていった。
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hikari(プロフ) - 若葉さん» ありがとうございます!正直に言う行き詰まっていたのでそう言っていただけただけで嬉しいです! (2017年4月16日 18時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
若葉(プロフ) - 完結おめでとうございます。少し不思議な話で、ちょっと好きな雰囲気でした。これからの活躍も楽しみにして居ます。 (2017年4月16日 9時) (レス) id: 3d0a97c40b (このIDを非表示/違反報告)
hikari(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!なかなか更新が滞り申し訳ないです! (2017年4月4日 1時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 毎日、更新楽しみにしてます! (2017年4月3日 23時) (レス) id: 2283804e7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hikari | 作成日時:2017年3月28日 21時