『みかきもり』(改定) ページ9
・・・
「ただいま帰りました。」
「おかえりなさいませ、お嬢様。奥様がお呼びでございます。」
「…ありがとう。」
(なにを言われるんだろう。どうせろくな事じゃないんだろうなあ…)
「お母様、お呼びですか。」
「…A、来ましたか。おかけなさい。」
「失礼します。お父様は…」
「会合に行っているわ。夜にでも帰ってきます。」
「そうですか…」
「さて、なぜ呼ばれたかはお分かりでしょう。単刀直入に言いますが…
坂田銀時と関わるのはおやめ。」
「え…」
「あの子はあなたとは身分が違うのです。」
「…お母様…」
「いい加減依頼やめなさい。嫁入り前の女が他人の男の家で二人きりとは非常識ですから。」
「…だって、坂田さんは私を匿ってくれる。優しい。結婚するなら坂田さんがいい。」
「なにを戯けているのです。今更そんなことを言っても叶うことがないことなど分かっているでしょう。」
「…直嗣さんも優しいし、いい人です。でも…でも…」
「いいですか、A。あなたがあの男と結婚さえすればこの先も安泰なのです。水戸家ですよ?幕府と繋がりを持ったも同然。」
「私は…お母様やお父様の出世のために売られたのですか?!」
「人聞きの悪いことを言うのはおやめ。」
「違うなら私にも決定権がある!!」
「…A。」
「私はもう…大人なの。親になんでも決められるなんてそんな人生いや!」
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おちゃちゃ - 切なくていい話ですね。もう泣いちゃいました。 (2018年6月11日 23時) (レス) id: 687e689f52 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - 空乙女さん» そう言っていただいて嬉しい限りです!まだまだ書き手としては新人なのですが、その言葉を貰うと自信が出ます(( 。ハイキューのやつも書いてたんでたまーに見てくださいね笑 (2018年3月5日 3時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
空乙女 - 切なくて悲しくてとても綺麗なお話ありがとうございました。表現法がとても綺麗で読み惚れました。ハイキューは私も好きです。これからも頑張ってください (2018年3月4日 22時) (レス) id: da52fc6dbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hikari | 作成日時:2018年1月10日 10時