十六夜之華 ページ25
十六夜
月も躊躇うのです。皆さんは十五夜を知っていますか?
十五夜の次が十六夜です。本当なら十五夜と同じ時間に月が昇るはずなのに、
十六夜は月が五十分遅れて出てくるのです。
先人はその様子を、『あれこれ迷って決心がつかない』という意味のいざよいを十六夜とかけました。
いざよい、言葉だけでも美しいです。意味も知ると昔の歌なんかはいざよいという言葉をよく使っています。
ほら、銀時、寝ないで聞きなさい。
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『新月から16日経った月夜が十六夜です。』
「……知ってるっつの。」
《天国のAへ。
生きているうちに言いたいことを言って欲しかった。
お前はまるで十六夜の月みたいだ。いざよいだ。けど月なんて言ってもそこまで遠いわけじゃないし、
Aはお嬢様だったから、華でいいか。
俺ももう少し早くお前の愛を迎える心の準備をしておけばよかったと後悔している。
だからまた会えるなら、葬式のとき棺桶に入ったAの指にシロツメクサの指輪を付けておいた。
それを目当てにするよ。》
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おちゃちゃ - 切なくていい話ですね。もう泣いちゃいました。 (2018年6月11日 23時) (レス) id: 687e689f52 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - 空乙女さん» そう言っていただいて嬉しい限りです!まだまだ書き手としては新人なのですが、その言葉を貰うと自信が出ます(( 。ハイキューのやつも書いてたんでたまーに見てくださいね笑 (2018年3月5日 3時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
空乙女 - 切なくて悲しくてとても綺麗なお話ありがとうございました。表現法がとても綺麗で読み惚れました。ハイキューは私も好きです。これからも頑張ってください (2018年3月4日 22時) (レス) id: da52fc6dbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hikari | 作成日時:2018年1月10日 10時